第二種電気工事士学科対策!照明器具の特徴と資格がなくても照明器具の交換はできるのか解説!

第二種電気工事士(筆記勉強)

どこの家庭・事業所でも目にする照明器具ですが、その管球の種類まで気にすることは少ないのではないでしょうか。

最近はLEDが主流ですが、そのほかにどのような種類があるのか、試験に頻出するものを中心に勉強していきましょう。

第二種電気工事士試験に出題される電球の種類

ランプの種類や、効率の比較などの問題が出題されるので、特徴をしっかり確認しておきましょう。

電球の種類と特徴

白熱球

白熱電球は、ガラス管内のフィラメントに、電源を加え発生するジュール熱によって、光を発生する電球です。

フィラメントは抵抗であるため力率は100%に近いですが、電力の多くが熱や赤外線に変化するため、光への変換効率は低いという特徴があります。

ハロゲンランプ

ハロゲン電球は基本的な発光原理は白熱電球と同じ光源です。ハロゲン電球の中にも白熱球同様に、フィラメントがあります。このフィラメントに電流が流れることで白熱し、発光します。

蛍光灯(蛍光ランプ)

蛍光灯は、ランプ内に発生させる紫外線を、管内に充填した蛍光物質に当てることで、目に見える(可視光線)に変換するランプです。

放電による発光を利用するため、寿命が長く効率も良い光源です。直管形蛍光ランプ、高周波点灯専用形(インバータ形)があります。

また、高周波点灯専用形別名Hf蛍光ランプ(Hf : High frequencyつまり高周波数で点灯するのでチラツキを感じにくい)ともいいます。

LED

LEDランプとは発光ダイオード (LED) を使用したランプのことです。電流を流して熱や光を発生させる原理ではないため、低消費電力長寿命といった最大の特徴を持っています。

しかし、周囲温度が高いなどの条件下で使用すると、熱による劣化が寿命の決定要因となるデメリットもあります。

ナトリウム灯

ナトリウム灯

写真のようにオレンジ色の光が特徴であるナトリウム灯は、一般的な照明と比較して演色性が悪いというデメリットがあります。

しかし演色性とは光源(ランプ)によって照らしたときに、照らす対象物を、どれだけ忠実な色で照らすことができるかという評価であり、自動車が走行し事故を起こさないようにするには、霧などへの透過性が高いナトリウム灯が採用されています。

特徴として高速道路トンネルなどの照明に使用されます。

HIDランプ

HIDランプとは、水銀灯メタルハライドランプ高圧ナトリウム灯などの高輝度放電ランプの総称をいいます。発光原理は蛍光灯と同様、電極から放出される電子が水銀原子と衝突して発光します。
ランプの種類によって封入されるガスなどが異なります。
HIDランプの特徴は、光源が発する光エネルギー量が大きいため光源が眩しいという特徴があります。これらHIDランプの効率を比較すると効率の良いものから順に
  1. 高圧ナトリウム灯(照明のなかで最も効率が良い・長寿命)
  2. メタルハライドランプ(水銀灯を改良したものなので水銀灯より効率が良い・長寿命)
  3. 水銀灯(効率が良い・長寿命)  の順になります。

出題される比較

タイプ別の比較問題が多く出題されます。それぞれの特徴を必ず覚えておきましょう。

白熱球 VS LED

LEDランプ

白熱ランプ

白熱球           電球形LED

比較項目 白熱球 電球形LED
寿命 短い 長い
価格 安価 高価
発光効率 悪い 良い
力率 良い 良くない

高周波点灯専用形蛍光灯 VS 点灯管を用いる蛍光灯

高周波点灯専用形蛍光灯は、電源周波数をインバータで高周波変換するため、人間の目ではちらつきを感じなくなります。また、特徴として発光効率が高いことが挙げられます。

昔は点灯管を用いる蛍光灯(グロー式)が使われており、点灯までしばらく時間を要していましたが、高周波点灯専用形蛍光灯は、点灯管を用いる蛍光灯と比較して、点灯に要する時間が短いという特徴があります。

グローランプ(点灯管)

※蛍光灯にはラピッドスタート形とグロースタータ形があります。 グローとは点灯管ともいわれラピッドスタート形と違い点灯まで時間を要します。

そのほか。蛍光灯には放電を安定させるためにバラスト(安定器)が設置されています。また、安定器内には雑音防止のためにコンデンサが組込まれています。

器具の特徴

LEDは半導体を使用した、比較的新しい器具です。省エネ時代に投入された新しい技術とくれば、メリットが大きいはずです。メリット・デメリットという視点で特徴を整理してみてください。

蛍光灯をLEDに変更する手段

これまで蛍光灯を採用していた事業所などで、これを省エネのためにLEDに更新するには2つの手段が考えられます。

1.器具をそっくり蛍光灯からLEDに更新する。

2.器具は蛍光灯のままで、直管LEDを点灯させるためのリニューアルキットなどを取り付ける。ただし管球を交換するだけで点灯するものがあるなど、メーカや型式によりさまざまです。

つまり、直管LEDを既存蛍光器具にそのまま使用できるかというと、そういうわけではありません

直管LEDの特徴

・同じ明るさの蛍光灯と比較した場合、消費電力が小さいという特徴があります。

・蛍光灯には、光束を安定させるための安定器(バラスト)があります。LEDでは交流電源を直流に変換する制御装置が内蔵されているものと、されてないものがあります。

第二種電気工事士学科試験の過去問:光源・蛍光灯

光源や蛍光灯の問題について最近の傾向をすべて列挙しました。それぞれ必ず解けるようにしてみてください。

白熱球と電球形LEDの比較

イ:白熱球の寿命<電球形LEDの寿命 誤り

ロ:同じ明るさでの消費電力は 白熱球<電球形LED 正しい

ハ:価格は 白熱球<電球形LED 誤り LEDは今でこそ多少安価になりましたがまだ高価です。

ニ:白熱球の最大の特徴は力率が良いことです。 誤り

以上より、解答はロになります。

蛍光灯と直管LEDランプの比較

イ:すべての蛍光灯照明器具には使用できません。(メーカや型式によります) 最近では管球が焼損するなどのトラブルもあります。誤り

ロ:同じ明るさでの消費電力が小さい。LEDの最大の特徴でもあります。 正しい

ハ:LEDでは交流電源を直流に変換する制御装置が内蔵されているものと、されてないものがあります。 正しい

ニ:蛍光灯に比べ寿命は長いです。 正しい

以上より、解答はイになります。

点灯管を用いる蛍光灯と高周波点灯専用形蛍光灯の比較

点灯管、つまりグロースタータ式の蛍光灯と高周波点灯専用形蛍光灯の特徴に関する問題です。

イ:高周波ですので、人間の目では確認できないほどちらつきを軽減してくれます。 正しい

ロ:高周波点灯専用形蛍光灯の発光効率は高いです。 正しい

ハ:高周波点灯専用形蛍光灯は、電源周波数をインバータで高周波変換しています。 正しい

ニ:店頭に要する時間が長いのは点灯管、つまりグロースタータ形です。高周波点灯専用形蛍光灯は即時点灯します。 誤り

以上より、解答はニになります。

ランプの用途

特殊なランプについても確認しておくことが重要です。

トンネル内を車で通ったことがあればわかると思います。霧の中でも透過するナトリウムランプがトンネル内でも多く採用されています。最近はオレンジではないものもありますが、オレンジ色の光色が特徴の一つです。正解はイになります。

よくある質問より:無資格で蛍光灯器具交換作業は可能?

よく、「蛍光灯の安定器交換や蛍光灯器具の交換には電気工事士資格が必要ですか?」と質問を受けます。経費節減などによって会社でそういった要求があるようです。

結論から言いますと、電気工事士でなければそれらの作業は出来ません。

照明器具交換に伴う電気工事士でなくてはできないもの

電気工事士でなければ出来ないものの例として、電源直結タイプの照明器具接続・交換作業があります。同様に、照明器具の安定器(バラスト)交換や蛍光灯からLEDに変更するための電源ユニット取付を行う改造作業もそれに該当します。

照明器具交換に伴う電気工事士でなくてもできること

すでに引掛シーリングがある場合の照明器具交換などは、電気工事士でなくてもできる作業の一つになります。

なぜ、直結タイプなどは電気工事士でなくてはできないのかを考えてみましょう。こちらのページでも説明していますが、電気工事士法によって「電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定め、もって電気工事の欠陥による災害の発生の防止に寄与することを目的とする」と定められています。

つまり、資格のない者が電気工事を行い、その欠陥工事で火災や感電事故を起こすことを防止する必要があるわけです。だから電線相互の接続などを伴う作業には、資格が必要となるわけです。

電工2種なら、毎年2回受験のチャンスがあります。受験してみてはいかがでしょうか。試験日程などはこちら

本日は以上です!

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