第二種電気工事士学科対策!配線用遮断器と漏電遮断器の違いを写真で攻略!

第二種電気工事士(筆記勉強)

自宅で夏場などエアコンを使いすぎて、分電盤の主観ブレーカがトリップ(ブレーカが落ちること)したなんてシチュエーションありますよね。毎日の生活に欠かすことができないブレーカですが、知っているようで知らないことが多いです。

電工2種に出題されるブレーカ等については、すべてこのページで覚えてもらえたらいいなと思っています。

では、いきましょう!

第二種電気工事士で学ぶブレーカの種類と働き

ブレーカには大別して2つの使命(笑)があります。そこから勉強していきます。

配線を過電流から保護するブレーカ

配線用遮断器の機能

配線用遮断器は過負荷電流(電力の使い過ぎによって、過大な電流が流れること)、短絡電流(短絡などによる事故電流)などの過電流を遮断して配線を保護する役目を持っています。

 

配線用遮断器の種類(電工2種試験用)

配線用遮断器(2P1E)

上図のブレーカは「配線用遮断器」です。「2P1E」と記載があります。

上の回路図をよく見てみます。この回路図中にエレメントの記載があるのですが、「L」側にのみあることからも、単相3線式の100V回路に使用するブレーカだとわかります。極や素子などについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 

配線用遮断器(2P2E)

配線用遮断器の「2極2素子(2P2E)」になります。先ほどの「2極1素子(2P1E)」との違いですが、回路図中にエレメントが2つ記載してあります。よって2P2Eということになります。

100/200Vの表示は、100Vでも200V回路でも使用できるということを示します。単相200Vではエレメントは2つ必要です。

100V回路では、もちろんエレメント1つでOKですが、2つあってもOKなので大は小を兼ねるですね。

 

しっかり「2P2E」の文字も見えます。電工2種の写真鑑別問題はよく見るとヒントがたくさん含まれているので注意してみてみましょうね。

 

配線用遮断器(3P3E)

次は、配線用遮断器の3PE用になります。

こちら青い印のところに「3P」と書いてあるのが見えると思います。また「CIRCUIT BREAKER(サーキットブレーカ」の文字が見えます。これは「配線用遮断器」という意味です。

これは三相電源に使用する配線用遮断器です。単相3線式にも(3P3E)のブレーカは使用することはできますが、以下の理由により、お勧めできません。

単相3線式の場合、中性点が何らかの原因で断線すると、過電圧が発生するため単3中性線欠相保護付きのブレーカを使用するように内線規程でも謳われています。

 

配線用遮断器(中性線欠相保護付き)

次は、欠相保護付きブレーカになります。単相3線式は中性線の欠相により過電圧が負荷に生じるため中性線欠相時の過電圧検出用のリード線が出ているのが特徴です。

欠相保護付き配線用遮断器の詳細は下の写真で説明します。

「過電圧表示」は、過電圧によってトリップした場合に、出っ張ります。出っ張ったら過電流でトリップしたのではなく、欠相による過電圧でトリップしたことがわかります。(白ポッチ)

「テストボタン」を押すと、ちゃんと欠相保護機能によるトリップがされるかをテストできます。(グレーのポッチ)

※この際には「過電圧検出用のリード線」をつないでいないと機能しません。

「トリップボタン」は過電流遮断を模擬的に作り出し遮断機能が働くか動作確認を行うボタンです。(赤ポッチ)

モータブレーカ

「モータブレーカ」とは、特にモータ(電動機)の保護を目的とした配線用遮断器のことです。

モータ起動時には定格の3~8倍の始動電流が流れます。その始動電流で動作しないような働きを持っているのがモータブレーカです。

電工2種ではブレーカの種類を問題として出題します。当然、判別が難しい、似たブレーカとの比較になるわけです。

まずは下の2つを見てみましょう。左は「モータブレーカ」右は「配線用遮断器」です。

モータブレーカの特徴

モータブレーカ(左図)の青い囲いの中を見ると「200V 2.2kW相当」と記載があります。これは2.2kW相当のモータ始動電流に耐えることができるという表記です。見にくいので下に大きな写真を添付します。

配線用遮断器との相違点

右図の配線用遮断器には、その「200V 2.2kW相当」の記載はありません。そこで見極めることができます。

 

人体を地絡電流から保護するブレーカ

漏電遮断器の機能

漏れ電流を検知して回路を遮断する機能をもつ遮断器です。漏電遮断器は地絡による人の感電防止や、漏電による火災事故を防止するために設置するブレーカです。

 

漏電遮断器の種類(電工2種試験用)

電工2種では「過負荷保護付き」という文言がでてきます。

「漏電遮断器(過負荷保護付き)」とは、漏電を検知、遮断する機能を持ちながら「配線用遮断器」の持つ過負荷保護機能を持つブレーカのことです。

本来の漏電遮断器は、地絡防止機能しか持ちませんでしたが、現在の漏電遮断器はほとんど、この過負荷保護付きになっています。

では、漏電ブレーカ各種を見ていきましょう。

 

漏電遮断器(2P1E)

 

漏電遮断器(2P2E)

 

漏電遮断器(過負荷保護付き)

「漏電表示」は、漏電遮断器に内蔵される漏電を検知する部分(ZCT)が漏電検知し遮断した際に表示する部分です。漏電でトリップしたら、ここを確認します。(黄色いポッチ)

「テストボタン」は漏電を模擬的に作り出し漏電遮断するか動作確認を行うボタンです。(グレーのポッチ)

「トリップボタン」は過電流遮断を模擬的に作り出し遮断機能が働くか動作確認を行うボタンです。(赤ポッチ)

 

漏電遮断器(中性線欠相保護付き)(3P2E)

単相3線式電路では、中性線が断線などした際の過電圧から保護するための機能を持ったブレーカが欠相保護付きブレーカであることを配線用遮断器のところで勉強しました。

配線用遮断器のときにも「過電圧検出用のリード線」があるのが、中性線欠相保護付きの特徴です。

「漏電・過電圧表示」は、欠相による過電圧や漏電によってトリップした場合に、出っ張ります。(黄色いポッチ)

「テストボタン」を押すと、漏電検知によるトリップができるかをテストできます。(グレーのポッチ)

「トリップボタン」は過電流遮断を模擬的に作り出し遮断機能が働くか動作確認を行うボタンです。(赤ポッチ)

電気工事士の基礎知識(AF/AT)

図面などで単線結線図を見ると200AF/150ATなどと記載されていることに気が付きます。

こんな感じです。ここでは、225AF/125ATのMCCBが使用されています。このAT(アンペアフレーム)とAT(アンペアトリップ)について勉強します。

AT(アンペアトリップ)とは

アンペアトリップとは名前のとおり、ブレーカの定格値を超えると、トリップする値のことです。

上の図面でいえば125ATですから125Aを超過するとブレーカはトリップします。

AF(アンペアフレーム)とは

アンペアフレームとは、ブレーカーの大きさを表します。例えば上の225AFを例とします。225AF125ATのブレーカと、225AF225ATのブレーカのどちらが大きかというと、フレームの大きさは同じなので同じ大きさということになります。

アンペアフレームには、もう1つ意味があります。それは規格として、この値(AFの数値)ではブレーカが壊れてはいけない電流値の最大値(最大定格電流)を示しています。つまり上の例でいうと、225AFですので225Aでは壊れない最大の値となります。

第二種電気工事士学科試験の過去問:遮断器(ブレーカ)

図記号の遮断器を選択する設問1

この図記号を覚えていますか? B(配線用遮断器)です。それがわかれば、上の絵から選べばいいだけです。

ただし、そう簡単にはいきません。傍記と周辺を確認します。傍記とは図記号の横に記載している文字のこと。

まずは下図の部分に注目します。

この「2P 20A」の配線用遮断器の負荷はRC(ルームエアコン)であり、その電圧は1φ200V(単相200V)です。つまり、「2P2E」の配線用遮断器しか使用できません。

では、写真の遮断器を1つずつ確認してみましょう。まずは下の遮断器から。この2つの遮断器。

この子たちは「漏電遮断器」たちです。なぜなら、「漏電遮断器」って書いてあるし、「感度電流30mA」という漏電遮断器の特徴が記載されています。

はい、この子たちは、消えます。

次に、残ったのは下の子たちです。1つずつ見ていきます。

両方とも「配線用遮断器」です。ではどこが違うのでしょう。左の写真は遮断器には「100V」の文字が見えます。一方、右の写真には「100/200V」の文字が見えます。

先ほどのルームエアコンの電圧を思い出しましょう。1φ200Vでした。

遮断器の下の<回路図>も確認します。

左の配線用遮断器は「L」側にエレメントが1つ。これでは100V回路しか保護できません。

一方、右の配線用遮断器の回路図では両側にエレメントがありますので単相200V回路を保護できます。

答えはハになります。

 

 

図記号の遮断器を選択する設問2

この図記号を覚えていますでしょうか?

今回の設問では「漏電遮断器」が出題されています。

まず傍記を確認します。傍記は(3P 100A 欠相保護付き)です。では1つずつ確認していきます。

 

下の子たちは、それぞれ、「CIRCUIT BREAKER」、「サーキットブレーカ」と記載がありますので「配線用遮断器」だということがわかります。この子たちは消えます!

次の子たちですが、それぞれ記載事項を見ていきます。

左は100Aの「漏電遮断器」ではありますが「過負荷・短絡保護兼用」との記載があります。

一方、右の写真は同じく100Aの「漏電遮断器」で且つ、「単3中性線欠相保護付」の文字が見えます。またブレーカの下から、欠相保護から守る「過電圧検出用のリード線」が見えます。

 

以上より、正解はニになります。

 

ブレーカの問題は、難しいです。特に最近のブレーカにはボタンがたくさんあるので、よく用途を学んでおくことが重要となります。

本項は以上になります。

 

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