1級電気工事施工管理技士学科試験の配点(旧制度版)
一次試験に合格するための力の配分
令和3年度からの新制度は、まだ1年目を終えたばかり。ですので今回は旧制度下での試験攻略に向けた学科試験の配点などについて記事を書いていきます。
1級電気工事施工管理技士試験の一次試験(学科試験)は下図のように92問出題され、そのうち、選択解答数が60問となります。
60問×60%の36点以上が一次検定合格となります。
あまり言われていませんが、給水装置工事主任技術者のように、科目ごと、足切り点がないので、どこで得点してもよいわけです。
極端な話、午前満点で30点、午後は6点しか取れなくても合格なわけです。
そう考えると、毎回、同様の問題が出題されて、且つ、出題数に対する選択解答数が多いものが的を絞りやすいです。
逆に、午前中の電気設備などは33問中15問選択ですが、試験で問われる範囲が広く、的が絞りにくいので勉強するにしても、後回しでよいでしょう。
下表は旧制度における午前・午後試験範囲と出題数、選択解答数などを示したものになります。
※注意 ここは令和2年度までの場合です。
おすすめの勉強優先順位例
①施工管理法
②法規
③工事施工
なぜ、この3つなのか
これらは普遍的な知識を問われるから。
施工管理法、法規、工事施工は、ほかの科目と比較して、ほぼ変化がありません。施工管理の方法に画期的なイノベーションが起こり、今までの施工管理法が通用しなくなりますか?
法令も毎年、少しずつは変わりますが、そんなに大きな変更はありません。施工も同様です。出題数が多いので、同じ問題を使いまわす傾向が高く、過去問をやっておけば、比較的点数を得やすいです。
電気工学は同様に問題数・選択解答数が多いのですが、計算など多いため電験など取得者にはおすすめです。
電気設備は幅広い知識が要求されるため、短期集中の勉強では歯が立たない可能性があります。
関連分野はもっとひどいです。電気とは関係ない分野の勉強が必要となるため、個人的には完全に捨ててもよいと思っています。
これらをまとめると、午後の試験範囲で満点狙い!
午前は6点以上取るため、得意科目を少し作っておけば、一次試験は全然OKです。私の生徒さんも全部は勉強しないです。捨てるべき科目は捨て、取るべき科目を確実にモノにします。
だって、60%正解すればいいのですから(笑)
効率的に行きましょう!
※注意 ここは令和2年度までの場合です。
新制度の出題変更点
引用元 一般財団法人 建設業振興基金
一次試験における追加項目
施工管理法[応用能力]が、これまでの実地試験から新たに加わりました。この以降の意図は、新たに技士補が制定されたわけですが、施工管理技士の補佐としての能力を持ち合わせているか、問うためのもので応用能力を問われます。
下表に記すように、その応用能力を問う問題として新たに、五肢択一が新設されました。
五肢択一は、これまでの四肢択一より設問が1つ増えるために、当てずっぽうが、多少確率が下がることになります。多少難易度が上がります。
合格基準についても多少、変更がありました。旧制度では、60問中60%正解すれば合格でした。しかし新制度では厄介なことに、全体の60%を正解することに加え、新設された施工管理法[応用能力]も50%以上の正解率を要求されます。
全体の90%を正解しても、施工管理法[応用能力]が6問中2問しかできないと、不合格になるということになります。注意が必要です。
令和3年度は「問58から問63」の6問が施工管理法[応用能力]に該当しました。
一次試験について
検定科目 | 検定基準 | 知識・能力の別 | 解答形式 |
---|---|---|---|
電気工学等 | 1 電気工事の施工の管理を適確に行うために必要な電気工学、電気通信工学、土木工学、機械工学及び建築学に関する一 般的な知識を有すること。 2 電気工事の施工の管理を適確に行うために必要な発電設 備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等に関する一般的な 知識を有すること。 3 電気工事の施工の管理を適確に行うために必要な設計図 書に関する一般的な知識を有すること。 |
知識 | 四肢択一 |
施工管理法 | 1 監理技術者補佐として、電気工事の施工の管理を適確に行 うために必要な施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、 安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識を有するこ と。 |
知識 | 四肢択一 |
施工管理法 | 2 監理技術者補佐として、電気工事の施工の管理を適確に行 うために必要な応用能力を有すること。 |
能力 | 五肢択一 |
法 規 | 建設工事の施工の管理を適確に行うために必要な法令に関す る一般的な知識を有すること。 |
知 識 | 四肢択一 |
二次試験について
検定科目 | 検定基準 | 知識・能力の別 | 解答形式 |
---|---|---|---|
施工管理法 | 1 監理技術者として、電気工事の施工の管理を適確に行うために必要な知識を有すること。 | 知識 | 五肢択一 (マークシート方式) |
施工管理法 | 2 監理技術者として、設計図書で要求される発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等(以下、「電気設備」とい う。)の性能を確保するために設計図書を正確に理解し、電気 設備の施工図を適正に作成し、及び必要な機材の選定、配置 等を適切に行うことができる応用能力を有すること。 |
能力 | 記述 |
令和3年度、二次試験においては問4の計算問題2問が、このマークシートに該当したわけです。
新制度対策として特別な対策は必要か
結論として、旧制度の勉強を継続すればよいです。令和3年度の試験前は、誰も初めての新制度試験だったために、対策はできませんでした。
上の表のように、一次試験合格率は前年度より向上しています。二次試験こそ合格率は下がっていますが、前年度が高過ぎたこともあり一概に難化したとは言い難いです。
もう数年間、経過観察し分析しますが、基本、勉強法を変える必要はないと考えています。
新制度下での試験はまだ、一度だけ。読みなど当たるものではありません。
できることを、着々と進めてまいりましょう!
あなたの合格を祈念しています。
では