ダクトを吊り込むために様々な付属品があります。 しかし過去問を見ると、そう多くない付属品について繰り返し出題されていることがわかります。 その既往問題について効率的に勉強していきましょう。
2級管工事施工管理技士二次講座:ダクト・ダクト付属品
では、まずは防振吊り金具から始めていきましょう。
防振吊り金物の施工要領
防振吊り金物とは防振措置が必要となる支持物の吊りボルト中間に用いる金物のことです。 これは繰り返し出題されるため実物を見たことない人は下記の絵や写真でイメージしておいてください。
出題形式ですが、特に絵が出題されそれが正しいか誤っているかを問われます。 誤っている場合はどこが誤っており、どう修正したらよいかを記述します。
では見ていきましょう。
図 防振吊り金物
写真 防振吊り金物
この防振吊り金物で覚えておくべき点は以下の通りです。
防振ゴム直下のナットは、下部の吊りボルトからの振動を防振吊り金具に伝えるた必要があるので取り付けてはならない。
また、防振ゴム直上のナットは、振動によって緩む恐れがあるので上図のようにダブルナットにする。
2級管工事施工管理技士 二次過去問に挑戦! ダクト関連編 ②ダクト付属品編
下図において、適当なものには○、適当でないものには×を記入し、×とした場合には、理由又は
改善策を記述しなさい。
答え:×
ダクトの防振吊りを行う場合、吊りボルトの固定は上端部のみとします。最下端の押さえナットは不要です。 防振ゴムの吊ナットが1個になっている。 ダブルナットで締め付ける必要があります。
正常時の状況 振動時の状況
ダクト付属品
ダクト付属品として各種ダンパー類について勉強しておきましょう。
風量調整ダンパー(VD)
ダクト内を通過する風量に対し羽根角度を変えることで風量を調整するダンパーをVD(ボリュームダンパー)といいます。
また、VD(ボリュームダンパー)の主なものには以下のような種類があります。
多翼ダンパー(ルーバーダンパー)
2枚以上の羽根を有し、羽根の開閉は平行状態で動くものを平行翼ダンパー、観音開きで動くものを対向翼ダンパーといいます。
風量調整性能は、平行翼ダンパーより対向翼ダンパーの方が優れています。
平行翼ダンパー 対向翼ダンパー
スプリットダンパー
- 枝ダクトの分岐部の風量を調整するダンパーです。
- ダクト内を分割するスプリットダンパーは、細かな風量調整ができず、羽根の支持を固定しないと騒音や振動の発生原因となってしまいます。
図: スプリットダンパー
風量調整ダンパー設置上の留意事項
騒音発生の原因となるため、消音エルボの上流側(送風機側)に取り付ける必要があります。
適 不適
図:ダンパーの位置
多翼送風機の吐出側直後に設ける場合は、ダンパー翼の回転軸が、送風機の羽根車の軸と垂直(直角)になるように施工する。
図:多翼送風機の吐出側直後のダンパー
分岐直前に設ける場合は、1方向に偏流しないように取り付ける。
適 不適
図:分岐直前のダンパー
2級管工事施工管理技士の二次過去問:ダクト付属品編
では上記知識を定着させるため、実際に出題された問題を解いていきましょう。
【設問1】風量調整ダンパー取付要領
下図について、適当なものには○、適当でないものには×を正誤欄に記入し、×とした場合には、
理由又は改善策を記述しなさい。
答え:×
VDの風量調整用羽根軸を気流に対し直角にする必要性があります。 設問のように斜めにすると偏流をきたし騒音・振動の原因にもなってしまいます。
分岐直前にダンパを設ける際にも同様で、一方に偏流しないようダンパの羽根軸を直角にする必要があります。
図:適したダンパー設置法 図:不適当なダンパー設置法
【設問2】風量調整ダンパー取付要領
【設問】下図において、適切なものには○、適当でないものには×を記入し、×とした場合には、
その理由を記述しなさい。
答え:×
湯沸かし系統(火気使用室)と倉庫系等(一般系統)の排気が混用となっています。 排気混合チャンバーに中仕切りを設けて、火気使用室の排気が他室に戻らないようにすることが重要です。
過去問で出題された問題は繰り返し出題されます。 確実に解答できるようにしておきましょう!
では!