第二種電気工事士学科対策!2種類の接地と接地工事の省略及び緩和条件を攻略!

第二種電気工事士(筆記勉強)

接地工事の重要性はこちらこちらでも説明しました。しかし何にでも、一定の条件を満たせば緩和や省略などの特別な措置があるものです。本項では、感電事故防止に役立つはずの接地工事の省略や緩和条件について勉強します。では、あなたの大切な時間をしばし、拝借します。

第二種電気工事士学科対策:接地工事の省略の可否

接地工事の種類で勉強したように使用電圧300V以下ではD種接地工事が必要になります。また、使用電圧300Vを超え、交流600Vまでの機器などではC種接地工事が必要になります。

ここでは、それら接地工事の省略できる場合の条件、省略ができない場合について勉強していきます。

接地工事の省略できる条件

接地工事の省略条件(金属製外箱の接地工事省略条件)

接地工事の省略ができる条件は、漏電しても危険性が高くないというのが絶対条件になります。

  1. 対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所に施設する場合。
  2. 低圧用の機械器具を乾燥した木製の床、これ類する絶縁性のものの上で取扱うように施設する場合。※コンクリート床では省略はできません!
  3. 低圧用の機械器具に電気を供給する電路の電源側に絶縁変圧器(二次側電圧300V以下、定格容量3kVA下のもの)を施設し、かつ、絶縁変圧器の負荷側電路を接地しない場合。
  4. 電気用品安全法の適用を受ける二重絶縁構造の機械器具を施設する場合。
  5. 水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に、定格感電流15mA以下動作時間0.1秒以下で動作する漏電遮断器を施設する場合。

はい、これ大事!

水気・湿気のある場所、場合は絶対に接地を省略できません

接地工事の省略条件(金属管工事での接地工事省略条件)

  1. 金属管の長さ4m以下乾燥した場所に施設する場合。
  2. 対地電圧が150V以下8m以下の金属管乾燥した場所に施設する場合、または簡易接触防護措置を施す場合。

接地工事の省略条件(金属線ぴ工事での接地工事省略条件)

  1. 線ぴの長さが4m以下の場合。
  2. 対地電圧が150V以下、線ぴの長さ8m以下の乾燥した場所に施設する場合、または簡易接触防護措置を施す場合。

はい、これ大事!

金属管工事と金属線ぴの省略条件はほぼ同じ!

接地工事の省略条件(金属可とう電線管工事での接地工事省略条件)

金属可とう電線管の長さが4m以下の場合。

接地工事の省略条件(ライティングダクトエ事での接地工事省略条件)

対地電圧150V以下、ダクトの長さが4m以下の場合。

ライティングダクトは上の写真のように隠ぺいではなく天井付けなので危険性が低いのでOKと覚えましょう。

接地工事の省略ができない工事

  • 金属ダクト工事
  • バスダクトエ事
  • フロアダクト工事
  • セルラダクトエ事

これら工事については省略が認められません。基本的にライティングダクト以外のダクトとつく工事は接地省略不可です。ただし、接触防護措置を施すとC種をD種に緩和することはできます。

第二種電気工事士学科対策:接地抵抗値など

復習になりますが、大事なところですので、よく下表を覚えてください。

接地種別による接地抵抗値と接地線の太さ

D種接地工事使用電圧300V以下の低圧用設備を施設するときに行われます。一方、 C種接地工事使用電圧300Vを超える低圧用設備を施設するときに行われます。

接地抵抗の項で勉強しましたが、より高い電圧部で使用するC種接地は、多くの地絡電流を地面に逃がす必要があるので、接地抵抗は10Ωと小さくする必要があります。

接地線の太さはD種、C種とも同じく1.6mm以上となります。

漏電遮断器により地絡を生じた際に0.5秒以内に電路を遮断できる場合には、D種、C種とも接地抵抗を500Ω以下まで緩和できます。

第二種電気工事士学科対策:接地抵抗の種類と抵抗値規定

ここでは、接地工事の種類と第二種電気工事士の試験に必要な接地の種類について勉強していきます。

接地工事の種類全般

接地工事にはA種接地工事、B種接地工事、C種接地工事、D種接地工事の4種類があります。簡単に、これらについて触れておきます。

  • A種接地:高圧・特別高圧など高電圧部位で使用する接地工事になります。ちなみに避雷針などの接地もA種接地となります。
  • B種接地:変圧器などで高圧(または特別高圧)と低圧を混触接触させると、本来大きな電圧が印加されない低圧側に過大な電圧発生します。その混触時に低圧側に過大な電圧上昇をさせないための接地のことをいいます。B種接地により低圧側機器を焼損・損傷などから守ることもできます。
  • C種接地:以前の特別第3種接地工事のことです。下で勉強しますが、C種接地は300Vを超える低圧機器などの機器などに使用します。
  • D種接地:普段、皆さんがよく目や耳にするのは、この接地です。D種接地は300V以下の電路に使用する機器などに施す接地となります。

第二種電気工事士試験で覚えるべき接地の種類と規定値

上記、接地工事のうち、電工2種で問われる接地工事は以下のC種、D種の2種類です。この2つの接地工事の境目は必ず覚えてください。つまり300V以下と300V超です。※以下、以上など「以」の文字が使用される文言は「その数字を含む」ことをよく覚えてください!

つまり、300V以下とは1Vから300Vまで。300V超とは301V以上と考えてください。(小数点は、ここでは考慮していません)

適用使用電圧 接地工事の種類 接地抵抗値 接地線の太さ
300V以下の低圧機器用 D種接地工事 100Ω以下(※500Ω以下) 1.6mm以上(※2)
300V超の低圧機器用 C種接地工事 10Ω以下(※500Ω以下) 1.6mm以上(※2)

表.1

※  ただし、0.5秒以内に自動的に電路を遮断するような、漏電遮断器が設置されている場合には接地抵抗を500Ω以下に緩和できます。

※2  多心キャプタイヤケーブル(コード含)1心使用の際は0.75mm2以上多心キャプタイヤケーブル(コード含む)1心以外の可とう性のある軟銅より線使用の場合には1.25mm2以上です。

→重箱の隅をつつくような問題は出ないため、多心キャプタイヤ1心は0.75mm2。多心キャプタイヤ1心以外は1.25mm2以上と覚えましょう。

地線の太さはC種接地もD種接地も1.6mm以上です。抵抗の計算で勉強しますが、電線は太ければ太いほど、長さが短ければ短いほど小さくなります。ホースを思い出してください。下の絵のように同じ矢印を水だと思ってください。太いホースと細いホースに同じ水量を流したら、太い方が流れやすいとイメージするとよいです。

同様に、同じ太さでも長さが短いホースと、長いホースではどちらのホースに水は流れやすいか考えるとイメージしやすいです。

接地抵抗の緩和措置とは

上の表のように通常、D種接地の接地抵抗は100Ωです。接地極を打ち込んだことのある人であれば、わかると思いますが、抵抗値がなかなか落ちずに、極を何本も打ち込んだり、低減剤を入れたり苦労しますよね。それぐらい抵抗値を落とすのは大変なんです。だから緩和措置はラッキーなんです。電気理論で習いますが、抵抗は小さければ小さいほど電流を流しやすいので感電しにくいのです。それを500Ωまで大きくしてもよいのです。それには条件がしっかりとあります。

それが地絡を検知した際に電路を0.5秒以内に遮断できる漏電遮断器を設置すれば500Ωまで緩和できます。感電する前に電源を遮断してしまうことで、接地抵抗を大きくできるというわけです。

上の絵はD種接地の例ですが、左は地絡を生じたときに0.5秒以内に電路を遮断するような漏電遮断器が設置されていないとき。

右はその漏電遮断器が設置されているときです。接地抵抗値だけ見ると100Ωの方が感電防止になります。しかし、それをカバーするためには漏電遮断器を設置し、漏電時に0.5秒以内に電路を遮断し事故を継続させないことで500Ωでもいいよ!ということです。

ここでは、接地抵抗は小さいほど安全!ということをしっかり覚えておきましょう!

はい、これ大事!

・電工2種で覚えるのはC種接地とD種接地のみ!

・接地抵抗値は小さいほど安全!

・漏電したとき0.5秒以内で遮断する漏電遮断器を設置すれば

C種もD種も接地抵抗を500Ωにすることができる。

第二種電気工事士学科試験の過去問:接地抵抗値

設問1:D種接地工事を省略できないもの

イ 金属管の長さ4m以下乾燥した場所に施設(〇)

ロ 乾燥(〇)・木製の床(〇)の金属製外箱部分

ハ 水気のある場所(×)・コンクリートの床(×)

ニ 対地電圧150V以下金属管8m以下の金属管を乾燥した場所に施設(〇)

答えはハになります。

 

設問2:D種接地工事を省略できないもの

イ 金属管の長さ4m以下乾燥した場所に施設(〇)

ロ 乾燥(〇)・木製の床(〇)の誘導電動機の鉄台

ハ 乾燥(〇)・コンクリートの床(×)

コンクリートの床は「低圧用の機械器具を乾燥した木製の床、これ類する絶縁性のもの」に該当しません。

ニ 対地電圧150V以下金属管8m以下の金属管を乾燥した場所に施設(〇)

答えはハになります。

設問3:D種接地工事の施工方法

水気のある場所“以外に”設置した機器に、漏電遮断器(感度電流15mA以下、動作時間0.1秒以内)を施設。

設問4:絶縁抵抗値と接地抵抗値の組合せ

絶縁抵抗の復習はこちら

では解いてみましょう。誤っているものを選びます。

まず、地絡が生じた場合0.1秒で自動的に電路を遮断する装置が施してあると記載があります。これは表.1より、0.5秒以内に電路を遮断できるので接地抵抗を500Ωまで緩和できます。500Ω以下に該当するものはロ、ハ、ニです。つまり、イが誤りとなります。

念のため絶縁抵抗についても確認します。使用電圧は100Vと記述があります。つまり単相3線式だとわかります。つまり、対地電圧は下表のように150V以下となります。

以上より、絶縁抵抗値は0.1MΩ以上となります。以上というところに注意してください。イ、ロ、ハ、ニのすべてが0.1MΩ以上です。

よって、答えはイになります。(接地抵抗値が500Ω以下でない)

ポイント

使用電圧100Vの記述でわかること。

①D種接地の接地抵抗は100Ωが基本。次に緩和できるか

判断が必要。

 

②単相3線式なので対地電圧は150V以下、つまり0.1MΩ

 

設問5:絶縁抵抗値と接地抵抗値の組合せ

設問4と同様の問題です。では解いてみましょう。正しい記述のものを選びます。

まず、対地電圧200Vなので下表を思い出しましょう。

絶縁抵抗は0.2MΩ以上です。絶縁抵抗は絶縁といわれるように電気を通してはいけない性能なので、大きければ大きいほど優秀な値です。ですから、0.2MΩより大きい値を選びます。

次に、接地抵抗値ですが使用電圧200Vなので300V以下になります。

上の表より通常、接地抵抗値は100Ω以下になります。このとき、接地抵抗とは感電しないように人のもつ人体抵抗より小さくし電流を接地に流しやすくする働きを促進するため接地抵抗値は小さければ小さいほど優秀な接地となります。

ですがここでは、題意より、漏電時に0.1秒で遮断できる漏電遮断器を設置するとあるので接地抵抗値を500Ω以下に緩和することができます。

接地抵抗値500Ω以上はロだけになります。総合して考えると適切な絶縁抵抗値と接地抵抗値をクリアしているのはニとなります。正解はニです。

設問:接地抵抗値と接地線太さの組合せ

三相200Vは使用電圧300V以下なのでD種接地工事であり、接地抵抗値は100Ωが基本です。この設問では漏電遮断器が施設されていないため、緩和はなし!つまり100Ω以下を探します。

次に、接地線太さはC種接地工事でもD種接地工事でも1.6mm以上です。これはここで覚えてしまいましょう。

消去法で、誤りを消していくと、正解はロになります。

 

本項では出てきた2つの表をよく理解しておくことが重要です。

本項は以上になります。

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