電気工事士試験合格を目指して勉強を始めたばかりという人もいらっしゃると思います。そんな人がつまづくのが、知らない言葉、用語だと思います。本項も初めて聞くエレメントという用語が出てきます。重要な働きをするものなので、しっかりと理解しましょう!
第二種電気工事士学科対策:極数と素子
では、復習を兼ねて極数と素子とは何かを見ていきましょう。
極数と素子
まずは三相誘導電動機の項でも勉強した極から復習です。
極数
極数とは端子数だと考えて下さい。ここではLとNの2つ、つまり2極ということになります。
実際の単相3線式配電線は以下のような図になります。極数は上の黒い線、下の黒い線及び真ん中の中性線(緑の線)の3本で構成されます。以上により、極数は3極となります。
素子数
素子数は下図の緑の部分です。この素子(エレメント)の働きは何でしょうか。素子は配線用遮断器を流れる過電流を検知する部分です。こちらでも説明していますので、確認してみてください。単相3線式では中性線(N)がありますが、基本的には中性線は電位0(0V)であることから素子はなくても大丈夫です。下の図の左は中性線(N)にも素子がありますが、安全サイドなので、これでももちろんOKです。
つまり
単相200V:2極2素子(2P2E)を使用します。2極1素子は使用できません。
単相100V:2極1素子(2P1E)または2極2素子(2P2E)のいずれも使用できます。
配線用遮断器(2P2E・2P1E)
2極2素子(2P2E)
まずは単相200Vに使用する2極2素子の配線用遮断器を確認します。
写真の下の部分、青枠内を確認すると「2P2E」の文字が見えます。実際の配線図試験では写真でこのように確認できます。次に赤枠内にはそれぞれの相にエレメントの絵も確認できるので2極2素子の配線用遮断器であることがわかります。
2極1素子(2P1E)
次の写真を確認しましょう。
写真の下の部分、青枠内を確認すると「2P1E」の文字が見えます。次に赤枠内にはLと書いた相にエレメントの絵が確認できるので2極1素子の配線用遮断器であることがわかります。
電工2種では、このように写真が大きなヒントとなるパターンがありますので、よく確認しましょう!
第二種電気工事士学科試験の過去問:極数と素子
出題頻度は少ないですが、関連する出題として設問3のように、実は配線図問題での出題があります。ですので、必ず理解すべき内容です。
設問1:極数と素子
まずは、自分で考えてみましょう。
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では解説していきます。
イ:100V回路には基本、2極2素子の配線用遮断器を使用します。イは正解です。
ロ:100V回路には基本、2極2素子の配線用遮断器を使用しますが、安全サイドである2極2素子の配線用遮断器も使用できます。ロも正解となります。
ハ:こちらも参考にしてください。中性極にはヒューズは使用できず、銅バーを使用するのでハも正解です。
ニ:単相200Vは両方、電源線で危ないので2極2素子の配線用遮断器を施設する必要があり、2極1素子の配線用遮断器は使用することができません。よってニが不正解となります。
設問2:極数と素子
まずは、自分で考えてみましょう。
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では解説していきます。
イ:200V回路には2極2素子の配線用遮断器を使用します。(2極1素子の配線用遮断器は使用することができません)イは正解です。
ロ:100V回路には基本、2極2素子の配線用遮断器を使用しますが、安全サイドである2極2素子の配線用遮断器も使用できます。ロも正解となります。
ハ:こちらも参考にしてください。中性極にはヒューズは使用できず、銅バーを使用するのでハも正解です。
ニ:単相100Vは下図のように基本は黒線部(電圧が掛かる危険な方)に素子が必要です。選択肢では中性線(緑線)側に素子を設けるとの記述ですのでニが不正解となります。
設問3:配線図問題
この問いですが、下図の赤丸の中に1Φ3W 100/200Vと書いてあることから、単相3線式(100/200V)だということがわかります。
次に下図、漏電遮断器右に200V 20Aと記載がありますので、単相3線式の電源両端の200Vということがわかります。
下の図の200V部ですね。ですので自ずと、2P2Eということがわかるわけです。
すると消去法で、2P1Eと書いてあるニが誤りということがわかります。
本項はここまで!