第二種電気工事士学科対策!電気工作物の種類や一般用と自家用の違いに関する過去問攻略!

第二種電気工事士(筆記勉強)

電気事業法では、その事業活動に対する規制や電気工作物の維持管理に関する事項を定めた法律です。

電気工作物といわれる設備については有資格者が工事・設置をするとともに定期的に保守点検など保全業務をしなければなりません。つまり、電気事業法とは電気工作物の事故防止や安全に電気を使うための決まりを定めている法律になります。

この記事ではそれら電気工作物について勉強します。

では、しばし、お時間拝借!

第二種電気工事士学科対策:電気工作物の種類と分類

 

上図のように電工2種免状で工事できるのは一般用電気工作物のみです。ですから基本的には試験範囲として、一般用電気工作物だけを勉強すればよいことになります。電工2種で問われるのは事業用電気工作物との境を見極める部分です。しっかりと一般用電気工作物を覚える必要があります。

1.電気工作物とは

発電所、変電所、受電設備や配線設備などのことを電気工作物といいます。

2.一般用電気工作物とは

一般用電気工作物は、一般住宅や小規模店舗、事業所など、他の者から低圧(600 V以下)の電圧で受電している場所などを電気工作物をいいます。電工2種筆記試験では、このほかにもう1つ重要なことがあります。それは、一般電気工作物の中に小出力設備が含まれることです。

小出力発電設備とは

①新エネルギーの技術的進歩

②保安の自己責任原則の徹底

などを背景に発電設備のうち、安全性が高いうえ、小出力のものを対象として、小出力発電設備も一般用電気工作物に追加されました。

小出力発電設備とは、電気事業法施行規則第48条第4項により、以下のように定義されています。

電圧600V以下の電気を発電するもので以下①から⑤までのものをいいます。

①出力50kW未満太陽電池発電設備

②出力20kW未満風力発電設備

③出力20kW未満水力発電設備(ダムは除く)

④出力10kW未満内燃力発電設備(ディーゼル発電設備など)

⑤出力10kW未満燃料電池発電設備

これら出力合計50kW以上のものは除外されます。

はい!これ大事!

小出力発電設備の覚え方!

・燃料電池は水素を使用する→危ないので10kW規制

・内燃力発電は燃料を使用する→危ないので10kW規制

・水力と風力は水の落差、自然エネルギーを使用する

→発電機(稼動するもの)を使用。少し危険なので20kW

・太陽光発電はモータなども燃料も使用しないので安全!

→だから50kWと最も大きな出力50kWまでOK

出力合計50kW以上の小出力発電設備は、自家用電気工作物となりますが例を挙げて一緒に考えてみましょう。

①出力20kW太陽光発電設備と出力10kWの風力発電設備及び出力15kWの水力発電設備があった場合には小出力発電設備に該当するのか考えてみます。

出力合計は太陽光(20kW※50kW未満)+風力(10kW※20kW未満)+水力(15kW※20kW未満)=45kWなので小出力発電設備となり、一般用電気工作物として取り扱えることになります。

②出力30kW太陽光発電設備と出力20kWの風力発電設備及び出力8kWの内燃力発電設備があった場合には小出力発電設備に該当するのか考えてみます。

出力合計は太陽光(30kW※50kW未満)+風力(20kW※20kW以上)+内燃力(8kW※10kW未満)=58kWなので小出力発電設備ではなく自家用電気工作物となります。この例題では50kW以上になること、風力発電設備が20kW未満でないことの両方の規制に抵触することに気を付けましょう。未満は20kWを含みません。

小出力発電設備をまとめますと下表の通りとなります。

また、小出力発電設備のイメージは下図のとおりです。

3.事業用電気工作物の定義

事業用電気工作物とは一般用電気工作物以外の電気工作物をいいます。

4.自家用電気工作物の定義

自家用電気工作物とは、事業用電気工作物であり、且つ、電気事業(一定規模以下の発電事業の用に供する電気工作物以外の例えば工場やビルなどのように電気事業者から高圧以上の電圧で受電している事業所等の電気工作物をいいます。

小難しいこと書いているけど、

要は、高圧・特高で受電する工場や事業場などの電気工作物のこと!

自家で用いるので自家用。つまり、電気を売る側は含まれないよ。

第二種電気工事士学科試験の過去問:一般用電気工作物編

この項で最も重要な課題は、電工2種が関与できる一般用電気工作物を正しく見分けられるかの一点です。特に小出力発電設備について確実に理解できるようにしてください!

設問1:一般用電気工作物を選べ!

では、まず答えを見ずに考えてみましょう!

 

では解説です!

正しいものを選ぶ問題です!

イ:低圧受電!(600V以下)、出力50kW以上は小出力発電設備ではなく自家用電気工作物となるため、一般用電気工作物ではありません。

ハ:高圧受電とくれば一発アウト! 自家用電気工作物であり、一般用電気工作物ではありません!

二:高圧受電とくれば一発アウト! 自家用電気工作物であり、一般用電気工作物ではありません!

ロ:低圧受電、つまり600V以下の需要家が、構内に小出力発電設備(一般用電気工作物)を置いても一般用電気工作物です!

よく理解しておきましょう!

 

設問2:一般用電気工作物でないものを選べ!

もう1パターンについても解いてみましょう。

では、まず答えを見ずに考えてみましょう!

 

では解説です!

イ:低圧受電!(600V以下) 受電電力50kW未満!これは低圧です。 また、出力50kW未満の太陽光発電設備は小出力発電設備であるため、一般用電気工作物となります。

ロ:低圧受電!(600V以下) 受電電力50kW未満!これは低圧です。 また、出力50kW未満の太陽光発電設備は小出力発電設備であるため、一般用電気工作物となります。

ハ:低圧受電!(600V以下) 受電電力50kW未満!これは低圧です。 また、出力10kW未満の燃料電池発電設備は小出力発電設備であるため、一般用電気工作物となります。

二:低圧受電!(600V以下) 受電電力50kW未満!これは低圧です。 しかし、出力10kW以上(15kW)の燃料電池発電設備は小出力発電設備には該当しないため、一般用電気工作物ではありません。

一般用電気工作物のまとめ

過去問を見てわかるように一般用電気工作物に該当するためには、いくつかの関門があります。

①低圧受電であること。低圧とは600V以下で受電するもの。且つ、受電電力50kW未満であること。

②小出力発電設備に該当すること。 これはこの項で勉強しました。

選択肢として、小出力発電設備に該当しても”高圧”と記述があったら、問答無用で自家用電気工作物となるため一発アウトであることを忘れないようにしましょう!

では!

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