第二種電気工事士学科対策!電気工作物の種類や一般用と自家用の違いに関する過去問攻略!

第二種電気工事士(筆記勉強)

電気事業法では、その事業活動に対する規制や電気工作物の維持管理に関する事項を定めた法律です。

電気工作物といわれる設備については有資格者が工事・設置をするとともに定期的に保守点検など保全業務をしなければなりません。つまり、電気事業法とは電気工作物の事故防止や安全に電気を使うための決まりを定めている法律になります。

この記事ではそれら電気工作物について勉強します。

では、しばし、お時間拝借!

第二種電気工事士学科対策:電気工作物の種類と分類

 

上図のように電工2種免状で工事できるのは一般用電気工作物のみです。ですから基本的には試験範囲として、一般用電気工作物だけを勉強すればよいことになります。電工2種で問われるのは事業用電気工作物との境を見極める部分です。しっかりと一般用電気工作物を覚える必要があります。

なお、令和5年3月20日の法改正で「小規模事業用電気工作物」という区分が新しくでき、第二種電気工事士が工事できる範囲は「一般用電気工作物等」(=一般用電気工作物 + 小規模事業用電気工作物)になりました。詳しくは後半で説明します。

1.電気工作物とは

発電所、変電所、受電設備や配線設備などのことを電気工作物といいます。

2.一般用電気工作物とは

一般用電気工作物は、一般住宅や小規模店舗、事業所など、他の者から低圧(600 V以下)の電圧で受電している場所などを電気工作物をいいます。電工2種筆記試験では、このほかにもう1つ重要なことがあります。それは、一般用電気工作物の中に小規模発電設備が含まれることです。ただし小規模発電設備のうち一部は、令和5年3月20日の改正で一般用電気工作物から外れました。

小規模発電設備とは

発電設備のうち、安全性が高く出力の小さいものは「小規模発電設備」と呼ばれ、基本的に一般用電気工作物として扱われます。ただし、その一部は令和5年3月20日の法改正で一般用電気工作物から外れました。まずは小規模発電設備の中身から見ていきましょう。

小規模発電設備とは、電気事業法施行規則により、以下のように定義されています。

電圧600V以下の電気を発電するもので以下①から⑤までのものをいいます。

①出力50kW未満の太陽電池発電設備

②出力20kW未満の風力発電設備

③出力20kW未満の水力発電設備(ダムは除く)

④出力10kW未満の内燃力発電設備(ディーゼル発電設備など)

⑤出力10kW未満の燃料電池発電設備

これら出力合計50kW以上のものは除外されます。

はい!これ大事!

小規模発電設備の覚え方!

・燃料電池は水素を使用する→危ないので10kW規制

・内燃力発電は燃料を使用する→危ないので10kW規制

・水力と風力は水の落差、自然エネルギーを使用する

→発電機(稼動するもの)を使用。少し危険なので20kW

・太陽光発電はモータなども燃料も使用しないので安全!

→だから50kWと最も大きな出力50kWまでOK

ただし令和5年3月20日以降は、太陽光の10kW以上と風力はすべて「小規模事業用電気工作物」となり、一般用電気工作物ではありません。出力の数字は変わっていないので、この一行だけを上乗せして覚えてください。

【重要】令和5年3月20日の法改正

以前は「小出力発電設備」と呼ばれ、上の①〜⑤はすべて一般用電気工作物でした。令和5年3月20日の改正で、次の点が変わっています。

・呼び方が「小出力発電設備」から「小規模発電設備」に変わった。

・そのうち出力10kW以上50kW未満の太陽電池発電設備と出力20kW未満の風力発電設備は「小規模事業用電気工作物」となり、一般用電気工作物から外れて自家用電気工作物に区分された。

つまり現在は次のようになります。

小規模発電設備の種類 出力 区分(令和5年3月20日〜)
太陽電池発電設備 10kW未満 一般用電気工作物
太陽電池発電設備 10kW以上50kW未満 小規模事業用電気工作物
風力発電設備 20kW未満 小規模事業用電気工作物
水力発電設備(ダムを除く) 20kW未満 一般用電気工作物
内燃力発電設備 10kW未満 一般用電気工作物
燃料電池発電設備 10kW未満 一般用電気工作物

なお、電気工事士法の側も同時に改正され、第二種電気工事士が従事できる範囲は「一般用電気工作物等」(=一般用電気工作物 + 小規模事業用電気工作物)になりました。新しい区分も工事できる範囲に入っているので、できる工事そのものは改正前と変わりません。

出力の合計にも注意

同一構内にある小規模発電設備の出力の合計が50kW以上になるものは、一般用電気工作物から除かれます。具体例で見てみましょう。

①出力8kWの太陽電池発電設備、出力15kWの水力発電設備、出力5kWの燃料電池発電設備がある場合。

太陽電池8kW(10kW未満)+水力15kW(20kW未満)+燃料電池5kW(10kW未満)=28kW。いずれも一般用電気工作物の範囲で、合計も50kW未満なので、一般用電気工作物として取り扱えます。

②出力30kWの太陽電池発電設備がある場合。

50kW未満なので小規模発電設備ではありますが、10kW以上なので「小規模事業用電気工作物」になります。低圧受電であっても一般用電気工作物ではありません。

③出力15kWの風力発電設備がある場合。

20kW未満なので小規模発電設備ですが、風力はすべて小規模事業用電気工作物です。こちらも一般用電気工作物ではありません。

④出力15kWの内燃力発電設備がある場合。

内燃力は10kW未満でなければ小規模発電設備に該当しません。よって自家用電気工作物になります。「未満」はその数字を含まないことにも注意しましょう。

小規模発電設備をまとめますと下表の通りとなります。

また、小規模発電設備のイメージは下図のとおりです。

3.事業用電気工作物の定義

事業用電気工作物とは一般用電気工作物以外の電気工作物をいいます。

4.自家用電気工作物の定義

自家用電気工作物とは、事業用電気工作物であり、且つ、電気事業(一定規模以下の発電事業の用に供する電気工作物以外の例えば工場やビルなどのように電気事業者から高圧以上の電圧で受電している事業所等の電気工作物をいいます。

小難しいこと書いているけど、

要は、高圧・特高で受電する工場や事業場などの電気工作物のこと!

自家で用いるので自家用。つまり、電気を売る側は含まれないよ。

第二種電気工事士学科試験の過去問:一般用電気工作物編

この項で最も重要な課題は、電工2種が関与できる一般用電気工作物を正しく見分けられるかの一点です。特に小規模発電設備について確実に理解できるようにしてください!

設問1:一般用電気工作物を選べ!

では、まず答えを見ずに考えてみましょう!

 

では解説です!

正しいものを選ぶ問題です!

イ:低圧受電!(600V以下)、出力50kW以上は小規模発電設備ではなく自家用電気工作物となるため、一般用電気工作物ではありません。

ハ:高圧受電とくれば一発アウト! 自家用電気工作物であり、一般用電気工作物ではありません!

二:高圧受電とくれば一発アウト! 自家用電気工作物であり、一般用電気工作物ではありません!

ロ:低圧受電、つまり600V以下の需要家が、構内に小出力発電設備を置いても一般用電気工作物です!これが正解になります。

※この設問は令和5年3月20日の法改正より前の出題です。現在は「小出力発電設備」という呼び方がなくなり、そのうち太陽電池10kW以上50kW未満と風力20kW未満は小規模事業用電気工作物となって、一般用電気工作物から外れています。改正後の考え方は上の表で確認してください。

よく理解しておきましょう!

 

設問2:一般用電気工作物でないものを選べ!

もう1パターンについても解いてみましょう。

では、まず答えを見ずに考えてみましょう!

 

では解説です!

※以下は出題当時(令和5年3月20日の改正前)の考え方による解説です。現行法での扱いは、この解説のあとにまとめています。

イ:低圧受電!(600V以下) 受電電力50kW未満!これは低圧です。 また、出力50kW未満の太陽光発電設備は小規模発電設備であるため、一般用電気工作物となります。

ロ:低圧受電!(600V以下) 受電電力50kW未満!これは低圧です。 また、出力50kW未満の太陽光発電設備は小規模発電設備であるため、一般用電気工作物となります。

ハ:低圧受電!(600V以下) 受電電力50kW未満!これは低圧です。 また、出力10kW未満の燃料電池発電設備は小規模発電設備であるため、一般用電気工作物となります。

二:低圧受電!(600V以下) 受電電力50kW未満!これは低圧です。 しかし、出力10kW以上(15kW)の非常用内燃力発電設備は小規模発電設備には該当しないため、一般用電気工作物ではありません。

※この設問は令和5年3月20日の法改正より前の出題です。現行法で解くと、イの出力15kWの太陽電池発電設備も、ロの出力10kWの太陽電池発電設備+出力5kWの風力発電設備も「小規模事業用電気工作物」となり、一般用電気工作物ではありません。つまり該当するものが3つになってしまいます。改正後の考え方は上の表で確認してください。

改正後に出題された類題も見ておきましょう。令和7年度上期の問30です。

一般用電気工作物に関する記述として、誤っているものは。ただし、発電設備は電圧600V以下とする。

イ.低圧で受電するものであっても、出力8kWの内燃力発電設備を同一構内に施設した場合は、一般用電気工作物とならない。

ロ.低圧で受電するものであっても、受電用電線路以外の電線路で構外にある電気工作物と電気的に接続されているものは、一般用電気工作物とならない。

ハ.低圧で受電するものであっても、火薬類を製造する事業場など、設置する場所によっては、一般用電気工作物とならない。

ニ.高圧で受電するものは、受電電力の容量、需要設備の業種にかかわらず、一般用電気工作物とならない。

イ:内燃力発電設備は10kW未満なら小規模発電設備で、一般用電気工作物のままです。出力8kWは10kW未満ですから、「一般用電気工作物とならない」というこの記述が誤り。これが答えです。

ロ:受電用電線路以外の電線路で構外の電気工作物とつながっているものは、一般用電気工作物になりません。正しい記述です。

ハ:火薬類を製造する事業場など、設置する場所によって除外されるものがあります。正しい記述です。

ニ:高圧受電とくれば一発アウト。容量や業種にかかわらず一般用電気工作物にはなりません。正しい記述です。

よって答えはイになります。

一般用電気工作物のまとめ

過去問を見てわかるように一般用電気工作物に該当するためには、いくつかの関門があります。

①低圧受電であること。低圧とは600V以下で受電するもの。且つ、受電電力50kW未満であること。

②構内に発電設備があるなら、小規模発電設備に該当すること。かつ、小規模事業用電気工作物(太陽電池10kW以上50kW未満・風力20kW未満)でないこと。

選択肢として、小規模発電設備に該当しても”高圧”と記述があったら、問答無用で自家用電気工作物となるため一発アウトであることを忘れないようにしましょう!

なお、第二種電気工事士が工事できるのは「一般用電気工作物等」= 一般用電気工作物 + 小規模事業用電気工作物 です。新しくできた小規模事業用電気工作物も工事の範囲に入るので、できる工事そのものは改正前と変わりません。

電工2種はとにかく同じ系統の問題を繰り返し解くことが合格への近道です!

わたしは参考書を何冊も買うのでなく、この本1冊を2周、3周するほうが効果的だと思います!

↓ わたしの生徒にはこれをやってもらっています。

では!

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