第二種電気工事士学科対策!絶縁抵抗と接地抵抗の違いがわかる!

第二種電気工事士(筆記勉強)

本項では電気工事士試験を受験するうえで、避けては通れない、そして難解なものが絶縁抵抗と接地抵抗です。これらについて図を使用しながら勉強していきましょう。

絶縁抵抗と接地抵抗

まずは頻繁に出てくる、絶縁抵抗について、勉強していきます。

絶縁抵抗(ぜつえんていこう)

絶縁抵抗とは電路と電路、もしくは電路と地面(対地)間に存在する絶縁抵抗のことです。例としてケーブルの絵で説明します。

 

上の図でケーブルと地面の間には目には見えませんが、絶縁抵抗(点線部)という抵抗が存在しています。この絶縁抵抗が小さくなると地面に漏洩電流が流れます。これが微量ではなく大きくなると漏電です。漏電した電路に人が触れると感電事故になります。

上でも説明した通り、ケーブルが多心であれば、ケーブル同士の間にも絶縁抵抗があります。

写真のように、心線の周囲は絶縁物で絶縁されています。よって絶縁抵抗が存在します。何らかの理由でこの絶縁が破れるなど、破壊されると短絡や地絡が生じます。この絶縁が保たれているかどうかを確認するのに、絶縁抵抗計が存在します。

絶縁抵抗は大きいほど安全

絶縁抵抗は、当然 、正常時には対地(地面)に流れません。ただし、 微量な漏洩電流 は流れます。 漏洩電流を減少させるには絶縁抵抗を大きく保つ必要があります。 つまり、名前の通り、電路と電路間、電路と対地間の絶縁抵抗値は大きければ大きいほど絶縁の能力が高いこととなり感電リスクが高くなることを意味します。

上の写真は絶縁抵抗計(通称:メガー)です。赤丸で囲った部分には、まず絶縁抵抗の単位(MΩ)の記載があります。単位が大きいことから大きい値がでることがわかります。また。小さい赤丸内には∞(無限大)の印があります。これも同様です。

はい、これ大事!

絶縁抵抗は大きければ大きいほど安全!

接地抵抗(せっちていこう)

接地抵抗とは、アースといえばわかるでしょうか。その名の通り、地面と接する抵抗です。オームの法則でもわかる通り、電流は小さい抵抗に多く流れます。つまり接地抵抗が大きいと感電する(人体に電流が流れる)ことになります。

下表は、電流が流れるとどうなるかを表したものです。感電とは電圧によって障害を受けるのではなく、人体に電流が流れることにより起こるので、接地は非常に重要となります。

接地抵抗は小さいほど安全

漏電した場合、安全に対地(地面)に電気を流し、感電防止のために施工する接地(アース)の抵抗の値です。 この抵抗値が小さければ小さいほど安全です。

 

  • ケース①健全状態の場合(漏電なし)

ケース①は健全な状態を示します。接地(アース)は施設されていませんが、健全(地絡)であれば問題は生じません。

図1.漏電なし

 

  • ケース②漏電状態(接地なし)

図2.漏電時(接地なし)

ケース②は接地(アース)なしの場合ですが、この場合、漏電していると人体に電流が流れてしまいます。

 

  • ケース③漏電状態(接地あり)

図3.漏電時(接地あり)

ケース③は接地(アース)ありです。この場合、人体の抵抗(文献により異なりますが、概ね5000Ω程度)より接地抵抗が小さいため、接地線に電流が多く流れ、安全を確保できます。

これを回路図で考えてみます。

図4.感電モデル

人体抵抗を5000Ω、接地抵抗を100Ωとしたポンチ絵です。これを下記のような等価回路に置き換えてみます。

 

図5.感電の等価回路

図5のように電気回路で考えるとわかりやすくなります。接地抵抗と人体抵抗が並列に接続されます。この時の電圧を200Vとしたときの人体と接地抵抗に流れる電流を見てみます。

接地線(アース)に流れる電流を「Ig」とします。\(Ig=\frac{200V}{100Ω}=2A\)

次に人体に流れる電流を「Igh」とします。\(Igh=\frac{200V}{5000Ω}=0.04A\)

より多くの電流が接地線に多く流れることが、計算からもわかります。

はい、これ大事!

接地抵抗は小さければ小さいほど安全!

(人体に電流を流さないため)

まとめ

絶縁抵抗と接地抵抗は重要ですが、初学者には似通っていると感じられるようです。特性はまったく違うのですが、理解しにくいものです。試験で出てくる使用電圧による抵抗値などの表だけでなく、本項の絵などを確認して理解するようにして欲しいと思います。

本項は以上です!

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