本項では、100Vよりも低い、一般に制御電源といわれるような電圧について勉強します。また、電工1種ではよく、出題される変圧器の働きについても、少しだけ触れておきます。
問題もパターン化していますので、必ず得点源にできると思います。
第二種電気工事士試験に出題される「小勢力回路」
小勢力回路とは、呼び鈴(よびりん)や警報ベルといった機器に接続される電路をいいます。
ただ、呼び鈴(よびりん)や警報ベルに、つながっていたら小勢力回路というわけではありません。
注意しましょう。
ここが大切なのですが、最大使用電圧が60V以下の弱電流電線である必要性があります。そして、もう1つ重要なことがあります。
それは、電線の太さです。電線(軟銅線)の最小太さは直径0.8mm以上となります。
電圧が低いため、細い電線ですむと覚えましょう。
はい、これ大事!
小勢力回路とは
①呼び鈴や警報ベルに接続される電路であって
②最大使用電圧が60V以下の弱電流電線
をいいます。
③電線の最小太さは直径0.8mm以上であること。
下の図を、確認してみましょう。
小勢力回路とは「小型変圧器」で電圧を落とします。その落とした電圧がかかる部分の回路をいいます。
小勢力回路出題のパターン
この図を必ず覚えておきましょう。というのも、過去問3例を下に貼りますが、出題パターンにお気づきですよね。
そう、電源100Vなどを「小型変圧器」で24Vや12Vなどに変圧します。「チャイム」や「押しボタン」には、小型変圧器で落とした電圧を加える必要があるので、これら3つは必ずセットと覚えましょう。
(小型変圧器→チャイム→押しボタン)の順に並んでいます。
前問同様、(小型変圧器→チャイム→押しボタン)の順に並んでいます。
前問同様、(小型変圧器→チャイム→押しボタン)の順に並んでいます。
「小型変圧器」の役目
小勢力回路における「小型変圧器」の役目はなんでしょうか。
変圧器を知っていると思います。変圧器は一般に、高い電圧を低い電圧に変成(下げる)のが役目です。ここでは、とりあえず、そう覚えておきましょう。
下の図では、一次側(この図では、電圧の高い側)に100Vが加わり、二次側(電圧が小型変圧器により下げられた側)に100Vより低い電圧が発生します。その低い側の電圧が、60V以下であるものが、小勢力回路なのです。
「小勢力回路」問題はこれだけ、押さえる!
「小勢力回路」で使用できる電圧の最大値
「小勢力回路」で使用できる電線(軟銅線)の最小太さの直径
2問見てもらいましたが、「小勢力回路」で使用できる電圧の最大値と、使用できる電線(軟銅線)の最小太さについての問題です。
「小勢力回路」の問題では、これ以外、出しようがないので、必ず覚えておきましょう!
第二種電気工事士学科試験の過去問:小勢力回路
「小勢力回路」で使用できる電圧の最大値
最大使用電圧が60V以下の弱電流電線が
「小勢力回路」の条件の1つだったね!
はい、答えは「60V以下」から探します。ただし、題意より「小勢力回路で使用できる電圧の最大値」とあります。
では答えのうち、まずは60V以下を、すべて探します。
イ:24Vは当然、60V以下です。ロ:30Vも60V以下です。ハ:48Vも60V以下です。ニ:60Vは60V以下に含まれるので、すべてが該当してしまいます。
正解は、小勢力回路で使用できる電圧の最大値ですので、イ、ロ、ハ、ニの中でも、最も大きいニの60Vが正解となります。
「小勢力回路」で使用できる電線(軟銅線)の最小太さの直径
電線の最小太さは直径0.8mm以上であることも
条件の1つでしたよね!
この問は、そのものズバリ、ロの0.8mmが正解となります。
「小勢力回路」で使用する器具類
平成22年から令和3年下期までに1度だけ、出題された問題です。
ここで、しっかり覚えてしまいましょう!
上の表のとおりハの小型変圧器が正解となります。
本項は以上になります。