この項では電気工事業法について勉強していきます。電気の世界ではよく、電気保安4法とか電気4法とか言われますが電気事業法もその4法のうちの1つになります。電気工事及び電気工事業に携わる人は覚えておくべき法律です。がんばって勉強しましょう。
第二種電気工事士学科対策:電気工事業法
電気工事業法の正式名称は「電気事業の業務の適正化に関する法律」といいます。最近は出題が減ってきたのですが基本的な部分は押さえておきましょう。
電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)
電気工事業法で重要な部分をまとめてあります。すべて確認し、特に太線部を確認していきましょう。
電気工事業法の目的
電気工事業法は、電気工事業を営む者の登録等及びその業務の規制を行うことにより、その業務の適正な実施を確保し、もって一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安の確保に資することを目的とするとあります。電気工事業を規制する法律です。
電気工事業の登録
電気工事業の看板を掲げ、電気工事業を営む者は、経済産業大臣または都道府県知事の登録を受ける必要があります。
①2つの県にまたがって登録する場合(例:東京と埼玉など異なる県の場合):2つ以上の都道府県内に営業所を設置する業者は経済産業大臣の登録を受けます。
②1つの都道府県内に営業所を設置する業者(例:埼玉県に1ケ所もしくは埼玉県内に2ケ所など):
1つの都道府県内に営業所を設置する業者は当該都道府県知事の登録を受けます。
①、②で登録を受けた業者の登録有効期限は5年間有効です。また、その登録は5年ごとに更新登録が必要になります。
はい、これ大事!
2つ以上の都道府県内に営業所を設置する場合:大臣の登録
1つの都道府県内に営業所を設置する場合は知事の登録
それら登録の有効期限は5年
主任電気工事士
登録電気工事業者は、その業務を行う営業所ごとに、主任電気工事士を置かなければなりません。しかし、主任電気工事士は誰でもなれるわけではなく、なるには、下記の条件を持ったものでなくてはなりません。
①第一種電気工事士免状の交付を受けたもの。
②第二種電気工事士の免状の交付を受けてから3年以上の実務経験を有するもの。
はい、これ大事!
主任電気工事士になれる条件は
電工1種免状保有者もしくは、電工2種免状を保有し
3年以上の実務経験を有する者
標識の掲示
登録電気工事業者になると、営業所にそれを示す標識を掲げることが義務付けられます。試験で出題されるのは掲示する標識の記載内容です。標識記載内容は以下の通りです。
- 氏名または名称(法人は代表者氏名)
- 営業所の名称および業務に係る電気工事の種類
- 登録年月日と登録番号
- 主任電気工事士等の氏名
会社名や社長名がなくては怪しすぎますもんね。
営業所がいくつかあるなら、それも書きましょうね。
登録を受けているんですから、証拠にそれも書くんですね。
営業所ごとに配置しなくてはいけない主任電気工事士は誰を選任しているのかをハッキリ書きます。
備えるべき測定器具
事務所に備付けする測定器具類として、以下のものを具備していなくてはいけません。
事務所に備付けする測定器事務所に備付けする測定器として、その営業所が、一般用電気工作物のみに関する電気工事を行う場合
- 絶縁抵抗計(絶縁抵抗を測定します:詳しくはこちら)
- 接地抵抗計(接地抵抗を測定します)
- 回路計(交直電圧のほか抵抗・導通など測定する。機種によっては電流も測定可能)
次にその営業所が、自家用電気工作物に関する電気工事を行う場合
- 絶縁抵抗計(絶縁抵抗を測定します)
- 接地抵抗計(接地抵抗を測定します)
- 回路計(交直電圧のほか抵抗・導通など測定する。機種によっては電流も測定可能)
- 高圧検電器
- 低圧検電器
- 継電器試験装置
- 絶縁耐力試験装置
これら測定機器類が必要になります。
帳簿の備え付け
登録電気工事業者は、その営業所ごとに帳簿を備え付けることが必要になります。施工した電気工事ごと、次の事項を記載し、保存することが求められます。この帳簿は記載日から5年間の保管が求められます。
- 注文者の氏名または名称および住所
- 電気工事の種類および施工場所
- 施工年月日
- 主任電気工事士等および作業者の氏名
- 配線図
- 検査結果
電気用品の使用の制限
電気工事には、電気用品安全法による所定の表示がある電気用品を使用しなければなりません。
第二種電気工事士学科試験の過去問:電気工事業法
設問1:電気工事業法
イ:主任技術者選任の条件は第一種電気工事士取得者か第二種電気工事士取得から3年以上の実務経験を有する必要があります。正しい記述になります。
ロ:登録電気工事業者は、営業所ごとに帳簿を備え付け、5年間の保管が求められます。正しい記述になります。
ハ:電気工事業の登録を受けた業者の有効期限は5年間有効です。また、その登録は5年ごとに更新登録が必要になります。7年は誤った記述です。
ニ:一般用電気工作物のみに関する電気工事を行う電気工事業者は①絶縁抵抗計②接地抵抗計③回路計そ備える必要があります。正しい記述です。
本項は以上です。 近年の出題頻度は低いですが、しっかりと押さえておきましょう。