1級電気工事施工管理技士!施工経験記述攻略のための記述方法

1級電気工事施工管理技士

1級電気工事施工管理技士 施工経験記述の設問

では、ここから「施工経験記述」の書き方を勉強していきましょう!

1級電気工事施工管理技士は、基本的に3種類の設問が用意されています。

①安全管理

②工程管理

③品質管理

の3種類です。例年、「安全管理」の出題される年には、設問2つは両方とも「安全管理」というパターンでの出題でした。一方、「工程管理」と「品質管理」は設問2つに対し1問ずつ出題されてきました。

いずれしても、この3種類を試験当日までに準備する必要があります。

施工経験記述 安全管理対策

では、実際にどのような対策が必要かみていきます。

安全管理は例年、「墜落及び飛来落下災害」と「感電災害」について出題(例外あり)されます。出題形式としては「発生する危険性があると予測した事項とその理由」「これら労働災害を防止するために、とった対策」について出題されます。

いずれも、危険を予測し、それを回避する策を事前に講じたことで、それら予測したような災害を起こすことなく、工事を完了したというストーリーで記述することが必要になります。

施工経験記述 工程管理対策

工程管理は例年、品質管理とセットで出題されていました。が、令和3年度でそのパターンが崩れました。のちほど、説明します。

①「施工中に発生した又は発生があると予想した工程管理上の問題」、「着工に当たり工程計画作成上特に留意した事項」及び「施工中、工程計画通りに進められなかった作業」について出題されます。

工程管理の設問は①当初計画していた工程②この計画に何らかの問題が生じ③これら要求に対し「納期に納めていくための工夫を凝らす」というストーリーで記述する必要があります。

施工経験記述 品質管理対策

品質管理の設問は、「施工の計画から引渡しまでの間の品質管理に関して特に留意した事項」、「施工終了から引渡まで間の機材の品質管理に関して特に留意した事項」、「機材搬入時及び保管時における品質管理に関して特に留意した事項」及び「機材搬入時における品質管理に関して特に留意した事項」について出題されます。

品質管理については2パターンについて、押さえておく必要があります。

①すでに、施工または搬入したものについて、自社もしくは他職の活動によって損傷など品質を損なうことがないように対策または準備する。

②これから機材を搬入または、搬入した機材類を他職などにより汚損・破損し本来、備えている品質を損なうことがないよう、対策や準備する。

施工経験記述の過去問分析

下表は最近の施工経験記述出題傾向です。

例年、偶数年は安全管理(主に墜落及び飛来落下と感電災害)、奇数年は工程管理1問と品質管理1問でした。

それが令和3年度に、そのパターンを崩してきました。受検生の中には準備をしていなくて焦った方もいたと思います。

試験前に3種類すべて、作成していく方がよいですね。

1級電気工事施工管理技士 施工経験記述(安全管理対策のツボ)

安全管理対策の出題パターン

安全管理のパターンは2つです。

①労働者災害防止

②第三者災害防止

どちらの防止かを意識しましょう。

安全管理(労働者災害防止)

労働者災害防止とは、現場で働く作業員(自社支配下)の労働安全の確保について記述します。特に、自社が行う仕事特有の事例を挙げ、記述することが重要です。

例えば、高所(※別途説明あり)でのケーブル敷設作業があれば、墜落災害防止が議題となります。灯動共用盤などでの作業や、活線近接作業などでは感電災害防止が議題となります。

安全管理(第三者災害防止)

第三者災害防止とは、自分たちが行う作業が作り出す、危険な状況を回避することで第三者の安全を確保について記述することです。

例えば、高所(※別途説明あり)にあるケーブルラック上での作業や、高所作業車上での作業中に、他職との上下作業になった場合、上から資機材を落下させたら大惨事になります。そういったことがないように管理側の人間として対策を講じた内容を記述する必要があります。

安全管理対策での注意すべきポイント!

高所作業の定義について

添削をしていると、安全管理で多くの受検生が勘違いをしていると感じる点があります。それが高所作業の定義です。

そもそも高所とは、何メートルをいうのでしょう。人によって「高い」と感じる高さは違います。ですから定義が必要になります。

高所とは高さ2m以上のことをいいます! つまり高所作業とは高さ2m以上の場所で行う作業をいいます。
墜落とは作業員等が高所から落ちることをいいます。つまり高さ2m以上の場所から作業員等が落ちる災害を墜落といいます。
次に、悪い例を示します。
脚立作業で高さ1.5mの位置からの墜落災害を予測した。
どこが悪いのでしょうか?
まず、高さ2mない部分から落ちることを墜落とはいいません。高さ2m未満から落ちることを転落といいます。
4.5mの高さから転落
1.5mの高さから墜落
この2つは、ともに誤りとなるわけです。
4.5mの高さから墜落
1.5mの高さから転落
これらが正しい記述になります。
注意してください。
つまり、設問では墜落災害防止を問われているのに、そもそも2m未満のことを記述しては、間違いとなります。

1級電気工事施工管理技士 施工経験記述(工程管理対策のツボ)

工程管理対策の出題パターン

工程管理のパターンは2つです。

①工期短縮

②工期内完工

これらを求められた理由を意識しましょう。

工程管理(工期短縮)

工期短縮とは、そのままですが、もともとの計画工期より、工期を短縮し、早く完成させることです。

なぜ、そんなことが必要になるのでしょうか?

それは、何らかの理由によって、工期を短くするように、元請け、施主などから要求されるからです。これも自社起因ではなく、他社(他者)起因です。

要求された→だから、当初計画より、計画を早めたというストーリーです。この計画を早めるのには、あなたがどう考え、どう計画を組み替えたのか、考えを示す必要があります。

ただ、行き当たりばったりで「何となく人を多く入れたら工期が早まった」的な対策はNGです。

工程管理(工期内完工)

工期内完工とは工期の遵守をいいます。工期は何らかのアクシデントなどがなければ、簡単には遅延は起こらないのですが、経験記述に書く際には、理由付けが必要になります。なぜなら、工期を順調に進めることは、責任者である、あなたの責任だからです。

つまり、何らかの理由が、あなたには、コントロールできないものであることが重要になります。

工程管理対策での注意すべきポイント!

発注者(施主等)による急な仕様変更                                      何らかの不具合により、急に配管・配線ルートの変更を求められた                          予想していた以上の長雨による前工程の遅延                          学校などが施工場所の場合、体育祭などイベントによって停電作業日が確保できないなど
上記等の理由において重要なのは自社起因ではないということです。
つまり、「発注者が仕様を急に変更したんだから、そりゃー、工期遅れますよね!」
建築側などから、配管・配線ルートを変えてって言われたら、材料の拾い出しや納まりなど再検討しなくちゃだから、そりゃー遅れるよね。」
「もちろん、梅雨時期だから、多少、工期は長く見ていましたよ。しかし、こんなに長く降っちゃ、工期内に吸収できませんよ」
「当初、この日に停電日を設定していたけど、体育祭の予行演習と本番を当てられちゃ、そりゃ、工期は伸びるよね~」など、自社のせいで遅延しないものを選定します。
添削でよくあるパターンですが、「梅雨時期の施工で外構工事に遅延が発生し・・・」は、あまりよい記述ではありません。
計画時には、すでに梅雨時期の施工ってわかっていましたよね?と採点者は考えます。ですから、予想より長かったんだよって説明が必要になります。
そこまで、管理者として予想をしていましたが、昨今の異常気象は、その予想を上回ることが多いのですから!

1級電気工事施工管理技士 施工経験記述(工程管理攻略のツボ)

施工経験記述 工程管理とは何を書けばいいのか

「工程管理」では、工程計画を立案して、実際に実行したときに生じる問題点をクリアして、目的を達成していくこと過程を記述します。

ここでいう目的は「工期短縮」と「工期内完成」のことです。

あなたはその現場の責任者として、その生じた問題点をクリアしつつ、プロジェクトを成功に導いたということを施工経験記述に表現すればOKです。

1級電気工事施工管理技士 施工経験記述(品質管理対策のツボ)

品質管理対策の出題パターン

品質管理のパターンは2つです。

①施工前準備段階の品質管理

②施工中から引渡し(施工完了)後の品質管理

これらを求められた理由を意識しましょう。

品質管理(施工前準備段階)

「機材搬入時及び保管時における品質管理に関して特に留意した事項」及び「機材搬入時における品質管理に関して特に留意した事項」などが施工前の計画にあたります。

それと「施工の計画から引渡しまでの間の品質管理」の施工の計画の部分が該当します。

施工に着手する前に、考える品質管理とはどんなものがあるでしょうか。

品質とは「品質とは、顧客が要求する性質や性能などのあるべき姿」です。つまり見た目はもちろん、要求性能まで考えなくてはいけません。

では、施工前に考えるべきこととは何でしょう。

例えば以下のようなものがあります。

・湿度の高い環境下にケーブルなどの資材を仮置きするので、発錆や絶縁低下懸念がある。

・盤など据付から完工まで●か月あり、他職等が往来し、傷をつけられる危険性がある。

品質管理(施工中から引渡し)

「施工の計画から引渡しまでの間の品質管理」の引き渡しまでの部分と「施工終了から引渡まで間の機材の品質管理」が該当します。

これは主に、工事現場ではいろいろな職種が入り乱れた状況で、盤やキュービクルなど傷がつきやすいもの。またケーブルなども同様です。敷設後に、例えばケーブルラックに乗って作業を行う他職もいるでしょう。

そんな時にケーブルの被覆や心線までも傷つけていたら、充電した際に地絡事故を起こすかもしれません。

そんなことをさせないための工夫や施策を書けばいいわけです。

本項のまとめ

施工経験記述の設問

設問は3つ。「安全管理」「工程管理」「品質管理」です。

施工経験記述の出題パターン

これまでは偶数年は「安全管理」、奇数年は「工程管理」「品質管理」でしたが、令和3年度はパターンを変えてきました。

今後はまんべんなく、すべてを用意しておきましょう。

各管理の視点

安全管理は①労働者災害防止②第三者災害防止どちら向けの安全対策なのかを明確にしましょう。

例えば労働者災害なら自社職人向けですが、他職はいろいろな人への注意喚起を徹底したり、職長会議などでの周知徹底など、その辺も重要な対策です。

その辺のターゲットを明確にし、記述することで回答がブレなくて済みます。

工程管理は①工期の短縮②工期内完成です。

工期を短縮しなくてはいけなくなった原因を記述し、回答すると採点者も腑に落ちるので、そこを記述しましょう。

工期内完成も同様です。工期内で終えなくてはいけない。つまり、工期内完成を難しくしている要因があるはずです。それを記述し、@「だから工期内完成しなくてはいけない」というストーリーは、やはり読み手である採点者を納得させることにつながります。

品質管理ですが、これは品質を劣化させる原因を明確にします。そして、どこにその劣化要因があるのかを記述します。

それに対する対策を記述すればOKです。

本項は以上です。

タイトルとURLをコピーしました