家庭でよく使用する、家電製品のほとんどはコンセントに差し込み使用すると思います。その家電製品のコンセントが付属しているのがコードになります。 電気工事で使用するケーブルや絶縁電線と違い柔らかいのがコードとも言えます。今回はそのコードについて勉強していきましょう。
第二種電気工事士学科対策:コードについて
まずは、第二種電気工事士試験に出るコードの種類について見ていきましょう。 コードは、細い軟銅線をより合わせた電線です。 では、電工2種に出題される分野を見ていきます。
コードの種類
家庭で使用する家電製品はいろいろな場所に移動して使用するドライヤーや持ち運びながら使用するノートパソコンなど場所を固定して使用する家電製品ばかりでないことがわかると思います。 そんな機器類にはコードのような可とう性のある(曲がりやすい)ものがとても便利です。 家電製品のほとんどにはコードが使用されているのは、こういった理由があるのです。
では、コードにはどんな種類があるのでしょうか。
ビニルコード
ビニルコードは絶縁体などがビニルでできています。 名前の通りビニルコードは熱に弱いです。 こちらの記事を参照ください。 熱に弱いため、熱を発するような器具のコードとしては使用できないのですが、一般的な家電製品のコードやテーブルタップとして幅広く使用されています。
ゴムコードとゴムコードの種類
ゴムコードですが基本的にはビニルコードと似ており素材が異なるだけと思っていただければOKです。 ゴムコードは絶縁体などの素材がゴムでできているのが特徴です。 絶縁体に使われるゴム素材は天然ゴム、クロロプチレンゴムなどがあります。 ビニルコードの弱点である、熱に弱い部分が改善されており、電熱器具など熱を生じる機器類のコードに使われています。
ゴムコードには下記のように、袋打ちコードと丸打ちコードがあります。 両方ともゴムコードの一種です。 袋打コードはよく目にすると思いますが電気こたつや電気アイロンなどに使用されるコードです。 いずれも熱を生じるのでビニルコードは使用できません。
最後に、丸打ちコードの特徴は乾燥した場所の電球線や小型機器に使用されるほか、吊り下げ式照明器具用電源電線として使われます。 丸打ちコードの最大の特徴としては耐荷重性を重視した構造になっているところです。 だから吊り下げ式の照明などに使用されるわけです。
袋打ちコード
丸打ちコード
はい、これ大事!
ビニルコードは熱を発するような器具には使用できません。
白熱電球も熱を発するためビニルコードは使用できません。
電気扇風機のような熱を発しないような器具に使用します。
(よく出題されます)
熱を発する機器のコードの断面積と許容電流(白熱電球)
イメージしにくいですが、白熱電球も熱を生じますので白熱電球にビニルコードは使用できません。 ゴムコードを使用する必要があります。 では、ケーブルの断面積ですが0.75mm2以上と決まっているので覚えておきましょう。
はい、これ大事!
・白熱電球にはビニルコードは使用できません。
・白熱電球に使用するコードの断面積は0.75mm2以上。
・熱を発する機器のコードはビニルコード以外のコードを使用する。
熱を発する機器のコードの断面積と許容電流
前出のように、熱を発する家電製品などの機器にビニルコードは使用できません。 熱を発する機器にはゴムコード(丸打ちコード・袋打ちコード含む)を使用します。 そして、その断面積は0.75mm2以上のものを使用することを、よく覚えておきましょう! 白熱電球と違うのはここからです。 家電製品の中には電気こたつや、電気コンロ、電気トースターと消費電力が1000Wを超える電気機器も多く存在します。 ですからコード断面積が0.75mm2では細すぎる場合もあります。 機器によって、コード断面積が変わってくることに気を付けましょう。
許容電流と断面積の関連性
許容電流とは、そのコードに最大限流すことができる電流のことをいいます。 その最大限の電流を流しても問題ない断面積をコードが持っていなければばりません。 その許容電流を流したときに断面積が適切でないとコードが焼損したり、事故に至ります。 下の表は、許容電流が7(A)、12(A)、17(A)のときに必要な断面積はいくらかということを示すので絶対に覚えておいてください。
はい、これ大事!
0.75mm2のコードには最大7(A)の電流が流せます。
1.25mm2のコードには最大12(A)の電流が流せます。
ただし、実際の問題では電流値を与えてくれません。 その求め方の例を挙げてみます。 では消費電力から電流値を求めてみます。 まず、消費電力を求める公式は \(P=VI\)になります。
例として電源電圧100V、消費電力1000Wの機器の電流を求めます。消費電力\(P=VI\)ですので、まず\(1000=100×I\)と置きます。 これを変換し\(I=\frac{1000}{100}=10(A)\)となります。 上の表を見ると12(A)の許容電流が流れる場合、コードの断面積は1.25mm2必要になります。 さきほど求めた機器の電流値は、10(A)ですので1.25mm2の断面積のコードであれば、12(A)以下の電流値しか流れないので、問題なく使用できることになります。
第二種電気工事士学科試験の過去問:コード関連編
ここでは、主にコード類で出題される2パターンの問題を解いてみます。
ビニルコードが使用できる機器
設問1
では、パターン1であるビニルコードが使用できる機器を探す問題を解いてみましょう。
この問題を見たら、熱を出すかどうか確認します!
電気扇風機:涼しい風を出します
電気こんろ:熱を発生します
電気こたつ:熱を発生します
電気トースター:パンを焼くため、熱を発生します
この中で熱を発生しないのはイの電気扇風機になります。 答えはイです。
設問 2
同様の問題を解きます。
この問題を見たら、熱を出すかどうか確認します!
イ.電気トースター:パンを焼くため、熱を発生します
ロ.電気こたつ:熱を発生します
ハ.電気扇風機:涼しい風を出します
ニ.電気こんろ:熱を発生します
この中で熱を発生しないのはハの電気扇風機になります。 答えはハです。
使用できる最も消費電力の大きな電動器具
計算と表の数値(コード断面積と許容電流)を覚えて問題を解く必要があります。
設問3
パターン2は先ほどの表を活用する問題です。
電源電圧は100Vです。
イ.150Wの電気はんだごて・・・消費電力\(P=VI\)ですので、まず\(150=100×I\)と置きます。 これを変換し\(I=\frac{150}{100}=1.5(A)\)となります。
ロ.600Wの電気がま・・・消費電力\(P=VI\)ですので、まず\(600=100×I\)と置きます。 これを変換し\(I=\frac{600}{100}=6(A)\)となります。
ハ.1500Wの電気湯沸器・・・消費電力\(P=VI\)ですので、まず\(1500=100×I\)と置きます。 これを変換し\(I=\frac{1500}{100}=15(A)\)となります。
ニ.2000Wの電気乾燥機・・・消費電力\(P=VI\)ですので、まず\(2000=100×I\)と置きます。 これを変換し\(I=\frac{2000}{100}=20(A)\)となります。
次に0.75mm2のゴムコードを使用するので、上の表の0.75mm2を確認すると許容電流は7(A)です。
先ほどの計算値を確認します。
イ:1.5(A) ・・・ 1.5(A)<7(A)なので0.75mm2のゴムコードを使用することできます。
ロ:6(A) ・・・ 6(A)<7(A)なので0.75mm2のゴムコードを使用することできます。
ハ:15(A) ・・・ 15(A)>7(A)なので0.75mm2のゴムコードは使用することできません。
ニ:20(A) ・・・ 20(A)>7(A)なので0.75mm2のゴムコードは使用することできません。
答えはイとロの2つに絞られました。 しかし題意より、消費電力の最も大きいものを探すので比較すると7(A)に最も近いものであるロが答えとなります。
消費電力1000Wの機器の電流を求めます。消費電力\(P=VI\)ですので、まず\(1000=100×I\)と置きます。 これを変換し\(I=\frac{1000}{100}=10(A)\)となります。 上の表を見ると12(A)の許容電流が流れる場合、コードの断面積は1.25mm2必要になります。 さきほど求めた機器の電流値は、10(A)ですので1.25mm2の断面積のコードであれば、12(A)以下の電流値しか流れないので、問題なく使用できることになります。
設問4
設問3と同様の解き方です。
電源電圧は100Vです。
イ.600Wの電気炊飯器・・・消費電力\(P=VI\)ですので、まず\(600=100×I\)と置きます。 これを変換し\(I=\frac{600}{100}=6(A)\)となります。
ロ.1000Wのオーブントースター・・・消費電力\(P=VI\)ですので、まず\(1000=100×I\)と置きます。 これを変換し\(I=\frac{1000}{100}=10(A)\)となります。
ハ.1500Wの電気炊飯器・・・消費電力\(P=VI\)ですので、まず\(1500=100×I\)と置きます。 これを変換し\(I=\frac{1500}{100}=15(A)\)となります。
ニ.2000Wの電気乾燥機・・・消費電力\(P=VI\)ですので、まず\(2000=100×I\)と置きます。 これを変換し\(I=\frac{2000}{100}=20(A)\)となります。
次に1.25mm2のゴムコードを使用するので、上の表の1.25mm2を確認すると許容電流は12(A)です。
先ほどの計算値を確認します。
イ:6(A) ・・・ 6(A)<12(A)なので1.25mm2のゴムコードを使用することできます。
ロ:10(A) ・・・ 10(A)<12(A)なので1.25mm2のゴムコードを使用することできます。
ハ:15(A) ・・・ 15(A)>12(A)なので1.25mm2のゴムコードは使用することできません。
ニ:20(A) ・・・ 20(A)>12(A)なので1.25mm2のゴムコードは使用することできません。
答えはイとロの2つに絞られました。 しかし題意より、消費電力の最も大きいものを探すので比較すると12(A)に最も近いものであるロが答えとなります。
今回は以上になります!
ではでは!