第二種電気工事士学科対策:電線・ケーブルの許容温度
許容電流とは電線やケーブルに流すことができる最大の電流値のことです。 電線やケーブルに電流を流すと電線等が持つ抵抗によるジュール熱で発熱します。 この発熱で電線・ケーブルは被覆が溶けたりするため、ケーブルは許容電流という数値を定め、流せる電流値を制限しているのです。
このページでは電線・ケーブルの許容電流による温度上昇をどこまで許容できるのかを覚えることが重要です。
まずは、電線とケーブルについて定義を見ていきましょう。
電線(絶縁電線)とは
絶縁電線は銅など導体を絶縁性被覆で覆ったものです。 IV線などがこれに該当します。
図:IV電線
ケーブルとは
ケーブルは銅などの導体を絶縁性被覆で覆った絶縁電線の上にシース(保護外被覆)を施した電線のことです。 VVFケーブルやCVケーブルなどがこれに該当します。
図:CVケーブル
まずは下の表を確認しましょう。 名称に”ビニル“と”ポリエチレン“などがあります。
はい!これ大事!
名称に「ビニル」がついたら許容温度は60℃と疑え! 例外はHIVだけ。HIVのHはHEAT(熱)の意味で許容温度を強化したものであり75℃までOK!
熱への強さはビニル<ポリエチレンです。 覚えちゃいましょう!
第二種電気工事士学科試験の過去問:絶縁物の許容温度編
ここでは2パターンの出題について、確認しましょう! 許容温度の違いを見極める問題と特定の電線やケーブルの絶縁物の許容温度を探す問題です。
設問1 許容温度が高いものを探せ!
この問題は消去法で解きます。 まずは”ビニル絶縁”を消去します。 なぜならビニールは熱に弱いからであり、”ビニル絶縁電線”と”ビニル絶縁ケーブル”の許容温度は60℃だからです。 ちなみにVVRとVVFは被覆の形状が違うだけです。 VVRのRはラウンドのRであり被覆は丸形です。 VVFのFはフラットのFであり被覆の形状は平形であることを、併せて覚えておきましょう。
次に”ビニル”が付きますが絶縁物を強化して熱の意味であるHEATを頭につけたHIVは、強化したとはいえ75℃が許容温度です。 架橋ポリエチレンで絶縁したCVケーブルが最高許容温度で別格の90℃となるため答えはイになります。
設問2:特定の電線の許容温度を探せ!
まず、この問題では絶縁電線の絶縁物を確認します。 正式名称を確認すると”600Vビニル絶縁電線”ですが重要なのは”ビニル絶縁”です。 ビニールは熱に弱い→許容温度は60℃というように連想し解いていきます。 よって答えはハの60℃となります。
電工2種の試験範囲は広くて覚えることも、当然多くなります。 知識がなくても、この問題のようにイメージを持つことで解くことができる問題が多く存在します。 こういった問題を必ず拾っていきましょう!
では