今回は電気工事や電気管理などを行う人はよく目にするブレーカやヒューズなどの動作時間について勉強します。
第二種電気工事士学科対策:配線設計(保護機器動作時間)
では、まずこの表を確認してください。
1.保護動作時間(ブレーカとヒューズ)の動作時間とは
ブレーカやヒューズは電路を保護するため、通常より多く流れ過ぎた過電流を遮断する役目を負っています。 とはいえ、例えば20Aブレーカを設置してあって、1秒でも20Aを超えたら遮断されるというのでは年中、ブレーカを上げに行かなくてはいけません。 ヒューズだともっと大変です。 過電流で溶断すると、ヒューズを新しいものに交換することになります。 そんなことにならないよう、ブレーカやヒューズには時限要素と電流の余裕度が設けられています。
次の項では、どのようなときに遮断してしまうのかを確認できる表を確認してみましょう。
2.保護動作時間の表および覚え方
下表をご確認ください。
上の表で重要な部分は、ブレーカとヒューズの上から2段だけ覚えます。 まずブレーカからですが30A以下(※以下とはその数字を含むので30Aまで)でも50Aまでも定格電流と同じ場合、ブレーカは遮断してはいけません。これはわかると思います。
次に1.25倍、つまり30Aのブレーカの場合、37.5A流れた場合、60分以内で遮断します。 もし30Aのブレーカに60Aが流れた場合には2分以内に遮断します。
50Aのブレーカに1.25倍の62.5Aが流れた場合、60分以内で遮断します。 50Aのブレーカに100Aが流れた場合には4分以内に遮断します。
保護動作時間の覚え方
はい!これ大事!
暗記苦手な人でも下表のようにイメージで丸覚えしましょう!
覚え方!
定格電流の2倍は表の一番上はブレーカもヒューズも2分→4分→6分と倍になります。 一方ブレーカなら定格電流の1.25倍、ヒューズなら1.6倍流れた場合はいずれも60分です。 このとき、ブレーカなら30A超50A以下であり、ヒューズは30A超60A以下であることだけ注意が必要です。
それと、ブレーカの表とヒューズの表では赤字の部分だけが異なることに注意し、覚えておきましょう!
はい、これを覚えてしまったら、脳へ定着させるため、すかさず過去問でアウトプットしましょう!
第二種電気工事士学科試験の過去問:ブレーカ・ヒューズ遮断時間編
ここでは2パターンの出題について、確認しましょう!
設問1:配線用遮断器(ブレーカ) 2倍の電流が流れた場合
この問題を見たら、まずやること!
①ブレーカの容量を確認します。 → 20Aのブレーカは表でいうと30A以下になります。
②次に題意より20Aブレーカに40Aが流れたので\(\frac{40}{20}\)=2倍となります。
③下表より30A以下のブレーカに定格電流2倍流れたら自動的に電路を遮断すべき時間は2分以内ということがわかります。 つまり答えはロになります。
設問2:配線用遮断器(ブレーカ) 1.25倍の電流が流れた場合
はい、同じパターンの問題です。 似た問題を連続して解くのがおすすめです。 同様にこの問題を見たら、まずやること!
①ブレーカの容量を確認します。 → 30Aのブレーカは表でいうと30A以下になります。(以下とは、その数字を含みます)
②次に題意より30Aブレーカに37.5Aが流れたので\(\frac{37.5}{30}\)=1.25倍の電流が流れたことなります。
③下表より30A以下のブレーカに定格電流1.25倍流れたら自動的に電路を遮断すべき時間は60分以内ということがわかります。 つまり答えはハになります。
さて、ここで1つ覚えておきましょう。
【設問1】は定格電流の2倍、【設問2】では定格電流の1.25倍の電流が流れました。 どちらが危険でしょうか? そうです、2倍もの電流が長い時間流れたら電線が焼き切れてしまいます。 ですから、1.25倍の電流が流れるよりも早く遮断する必要性があります。 つまり【設問1】は2分なんですね。 【設問2】は60分と少し猶予があります。 この表はそう考えると余計に覚えやすくなります。
それと過去に何回か、ヒューズの問題も出題されていますよ。 ですから下の表も薄っすらと覚えておきましょう!
では!