令和3年度の施工管理技士検定から、新制度となりました。2級管工事施工管理技士はといいますと一次試験は、従来の一次試験と比較し、若干、難易度が高くなったといえます。一方、二次試験はどうだったのでしょうか。今回は二次試験の傾向がどう変わって、今後、どうなっていくか、考えてみましょう。
2級管工事施工管理技士の令和4年度二次試験の出題傾向について
2級管工事施工管理技士二次試験の変更点
令和3年度の二次試験の出題傾向は、前年度まで学科試験で問われた知識問題が新たに加わりました。下図、「施工管理技術検定の令和3年度制度改正について」を参照してください。
一般財団法人建設業振興基金「施工管理技術検定の令和3年度制度改正について」より引用
問1設備全般の出題傾向
まず、上の表のように、問1は出題数が5問から9問に増えました。この4問増えた〇×問題が新制度で新たに追加された知識問題です。しかし、もともとの学科試験から移動してきたものですので記述ではなく、比較的優しい問題となりました。令和4年度以降も、令和3年度の出題傾向は継続すると思われます。ちなみに令和3年度の〇×問題は以下の通りです。
上の問題のように新制度で新たに追加された問題が、問1の〇×問題になります。
問2設備全般から問6施工経験記述出題について
これまでの2級管工事施工管理技士実地試験では、法令のみ用意された語句を選択解答する問題で、それ以外はすべて記述式の問題が基本でした。
その他(問2から問6)の問題については下表のとおり、昨年度同様の出題形式、出題数で、設備全般(空調・衛生)、工程管理、法規、施工経験記述が出題されました。
新問題対策は特に必要ない!?
今回の出題を見て、多くの人から「出題の的が絞れなくなった」「勉強したことないところから出題された」などという声が聞かれました。果たしてそうでしょうか。少し振り返ってみます。
問1(1)について
まずは令和3年度二次試験の問1の(1)を確認してみます。
では次に、平成30年度二次試験(当時は実地試験)の問2を見てみます。(4)はアンカーボルトに関する留意事項です。この問題について勉強していれば解けた問題です。
ちなみにアンカーボルトに関する留意事項には以下のような事項が挙げられます。
- アンカーボルトは、振動で緩まないようにダブルナットとする。またスプリングワッシャーを用いる。
- 屋外に設置するアンカーボルトはステンレス製など錆に強い素材のものを選定する。
- アンカーボルトのL寸、ボルト径は耐震計算を行い、その数値を満足するものを選定する。
- アンカーボルト設置は基礎の割れを防止するため、基礎端部を避けること。
などが考えられます。
また、以下の問題は平成30年後期の問35です。
この問題を解く勉強をしていれば、充分に解けると思います。
問1(2)について
令和3年度二次試験の問1の(2)を確認してみます。
硬質塩化ビニル管の接着接合についての問題です。これも過去問に類題があるのです。
R元年度前期の問36を確認してみましょう。
同様に平成26年度の問36を確認してみると、ほぼ同じ問題であることがわかります。
問1(3)について
以下についても同様です。類題を列挙したので興味があれば、ご確認ください。
令和3年度二次試験の問1の(3)を確認してみます。
R元年度二次試験(当時の実地試験) 設問1(1)
R元年度前期試験 問37
平成27年度 問36
問1(4)について
令和3年度二次試験の問1の(4)を確認してみます。
令和元年度後期試験 問38
問1(5)について
令和3年度二次試験の問1の(5)を確認してみます。
平成28年度二次試験(当時の実地試験) 設問2(2)
平成28年度一次試験(当時の学科試験) 問38
平成26年度一次試験(当時の学科試験) 問39
来年度試験出題傾向はどうなる?
今回見ていただいた通り、新たに追加された知識問題は、あくまでも、これまでの学科試験から一部移動してきたものなんです!どういうことか。今まで一次試験、つまり学科試験で勉強する範囲が移動しただけ。だから上の類題も学科試験からの出題が多いのです。
今までと違う問題がでる、なんて構えず、わざわざ、勉強する範囲は変えないこと。今までと同様の対策をすればよいと考えます。
「何をしたらいいのだろう」と考えて停止するより、今までと同じ勉強を継続していけばOK!なのです。
来年度以降も令和3年度と同様、過去問を攻略すればよいということになります。「何がでるか??」なんて考えている時間があれば、過去問を1問でも多く解くことが、合格への近道ですよ。
がんばりましょう!!